理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: QP366
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当院における車椅子の適合状態と課題
*佐藤 聡
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抄録
【はじめに】当院は病床数の約71%を回復期リハビリテーション病棟が占める186床のリハビリテーション専門病院である。当院では車椅子利用者に適合性の高い車椅子を提供し、ADL・QOL向上を目指すために理学療法士・作業療法士・看護師などで構成される院内車椅子係を中心に130台の車椅子の管理・適合を行っている。また、入院日から適合性の高い車椅子を提供し、なるべく早期に患者の基本的能力把握を図る目的で入院時車椅子チェックを実施している。今回平成13年当院入院患者における車椅子の適合の傾向から、当院における車椅子の管理・運営についての問題に検討を加え報告する。【当院における車椅子の管理方法】1)車椅子データベース:標準型車椅子は座面の高さを基準にA(40cm未満、25台)、B(40cm以上43cm未満、39台)、C(43cm以上46cm未満、34台)、D(46cm以上、17台)に分類、リクライニング型をE(11台)、座面チルト機構を持つモジュラー型リクライニング車椅子をT(4台)とし、院内のコンピュータネットワーク上にデータベースを作成し130台の車椅子及び利用状況の管理に活用している。2)理学療法士・看護師による入院時車椅子チェック:車椅子を利用する患者の座位姿勢・移乗動作を中心に基本動作能力、車椅子駆動能力、身体計測(座幅、下腿長)などを評価し、当院独自の車椅子指示票を用いてデータベースを活用しながら車椅子・クッション等の処方および適合判定を行っている。【方法】平成13年入院患者で車椅子乗車が許可された患者473名のうち、車椅子が不要であった患者、適合確認が出来なかった患者をのぞいた309名を対象とし、車椅子指示票をもとに車椅子のタイプ、座面の高さ・幅の適合状態について検討した。【結果】1)利用者内訳はA19%、B32%、C34%、D8%、E5%、T1%、本人所有4%であった。2)最も座面が低いAでも高いケースが7%、幅が広いケースが18%あった。3)最も座面が高いDでも低いケースが8%、幅が狭いケースが8%あった。4)本人所有の車椅子では不適合が28%みられた。5)全体では適合71%、不適合29%だった。【考察・まとめ】1)使用される車椅子はほとんどが標準型車椅子であった。2)座面の低い車椅子の需要があり、低床型車椅子や簡易モジュラー型車椅子の有用性と必要性が示唆された。3)座面の高い車椅子の需要もあったが、現状では処方数も少なく、大きな問題とはなっていない。長期的には平均身長が高くなるにつれて需要が高まることも考えられる。4)本人所有の車椅子でも不適合が多く、専門的知識がない状態で購入・使用していることが示唆された。しかしこの問題に対してスタッフの意識は低いようであり、意識向上を図っていく必要がある。5)入院時に適合した車椅子を提供できないことも多く、継続して適合状態を確認していく必要性がある。6)適切な車椅子を提供できるシステムの検討を今後も続けたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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