理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: QP620
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調査・統計
当院回復期リハビリテーション病棟における患者およびスタッフの意識調査
*吉原 恵美藤田 貴士浦上 遊子津留 水城松嶋 康之永野 良子
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抄録
【はじめに】当院は、平成14年7月に回復期リハビリテーション病棟(以下リハ病棟)を開設した。今回、リハ病棟の業務改善を目的に患者とスタッフを対象にリハ病棟およびリハ訓練等に関する意識調査を行った。その結果、解決すべき課題と目標が確認されたので考察と共に報告する。【対象と方法】平成14年11月2日現在、リハ病棟に入院中の患者36名のうち、コミュニケーション困難なものを除いた20名を患者群、リハ病棟専従スタッフ32名をスタッフ群とし、無記名で次の内容のアンケート調査を実施した。1.リハ病棟に対する理解について、2.朝・夕の着替えについての意識、3.食堂での食事の是非、4.リハセンター以外(病棟・屋外等)でリハ訓練をすることについての意見、5.スタッフの関わりは十分か、6.病棟などの環境設備は整っているか、7.リハ訓練の時間量は適切か、8.日祝日のリハ訓練の希望は、9.回診は患者のためになっていると思うか、10.リハ総合実施計画書(以下計画書)についての理解、11.計画書に患者の要望・希望が反映されているか、12.計画書が活用・実践されているか、13.リハ訓練が病棟での生活に活かされているかの合計13項目とした。回答方法は5段階(0;悪いから4;大変良い)とし、1)患者群とスタッフ群の意識の差をMann-Whitney検定、2)患者群での項目間の相関はスピアマン順位相関係数を用いて検定した。【結果】患者群は男性10名、女性10名、平均年齢73.7歳、平均入棟日数86.7日。疾患分類は脳血管疾患11名、骨折6名、廃用性筋力低下3名であった。スタッフ群は医師2名、看護職26名、理学療法士2名、作業療法士1名、ソーシャルワーカー1名とした。各項目の平均得点は患者群2.51点、スタッフ群2.76点であった。1)では1.理解、6.環境設備、9.回診、13.生活リハの項目で患者群が有意に高かった(p<0.05)。一方、3.食事、10.計画書理解、11.計画書要望の項目では患者群が有意に低かった。2)では1.理解と13.生活リハ、3.食事と4.リハセンター以外でのリハ、5.関わりと8.日祝日リハ、5.関わりと9.回診との間にp<0.01で相関が認められた。また、1.理解と10.計画書理解、10.計画書理解と11.計画書要望、10.計画書理解と12.計画書活用、11.計画書要望と12.計画書活用との間にp<0.05で相関が認められた。【考察】患者の生活に密着して行うリハ病棟での訓練は“できるADL”が“しているADL”に直結するため患者の評価が高かった。しかし、スタッフの期待に反して食堂での食事については患者の評価が低かった。このことから画一的な関わりを改め、個別的対応の必要性が示唆された。また、月1回作成している計画書が効果的に活用されていないこともわかった。今後は患者・家族にリハ病棟の目的を啓発すると共に、関係者間の情報の共有化を積極的に図り、より効果的・効率的なリハ病棟を目指して行きたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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