抄録
【目的】北九州市の介護保険制度と他の介護予防・健康づくり施策との連携方策の検討目的で市保健福祉事業の一環として高齢者の運動等動向調査の機会を得たのでその結果について報告する。【方法】65歳以上の一般高齢者に対して介護保険被保険台帳(203,298人)を用い男女別・年齢階級別(5歳刻み)構成比により3,000人(1.5%)を抽出、運動ならびに社会参加活動の有無について調査表を郵送し、回収した。【結果】 一般高齢者1,668人(回収率55.6%)から回答が得られた。1)一般高齢者の運動についてa)高齢者の60.2%が何らかの運動を行っており、介護保険サービスを利用している人でも31.7%が運動をしていた。b)よく行っている運動は「ウォーキング(48.2%)」「ラジオ体操など(9.6%)」「ジョギング(9.3%)」の順であった。c)頻度は「ウォーキング」をしている高齢者は2日に1回強の割合で、1回40分程度、「ラジオ体操など」の場合は、ほとんど毎日で1回10分程度であった。d)運動を始めたきっかけは、「健康維持のため(87.4%)」が最も多く、次に「生きがいづくりのため(4.7%)」であった。e)継続期間は「1年以上(87.4%)」が最も多かった。f)運動場所は「自宅」もしくは「自宅周辺」が37.1%と多く、「近くの公園や体育館」「福祉センター・公民館」などが挙げられた。g)人数は「一人で(60.9%)」行っている人が最も多かった。2)社会参加活動についてa)31.3%が社会参加活動をしている一方、したいと思わない人も29.7%いた。b)種類は「ボランティア活動」「町内会活動」「カラオケ」「手工芸」の順となっている。c)頻度はすべての種類で、おおむね週1回程度であった。d)始めた動機は「生きがいのため(54.0%)」が最も多く、続いて「健康維持のため(25.2%)」であった。e)継続期間は93.1%が1年以上継続していた。f)活動場所としては「市民福祉センターや公民館(56.7%)」、次に「自宅や知人の家(21.3%)」となっている。g)人数では「クラブやサークル仲間(39.3%)」、あるいは「友人(31.2%)」と行っている場合が多く、「一人で」という人は18.4%であった。【考察・まとめ】第3次国民健康づくり運動としての「健康日本21」では健康寿命の延伸、一次予防の重視、目標等の設定と評価、健康づくり支援のための環境整備が基本的な考え方としてある。今回一般高齢者に運動・社会参加活動動向調査を行い1,668人(55.6%)から回答が得られ、その内60.2%が何らかの運動を行っていた。しかし運動の内容や強度が各個人に適切なものであるかの検証はほとんどされていないのが現状であり、健康づくりを支援する環境づくりなどの構築が必要である。社会参加活動については、したいと思わない人が29.7%いたが地域資源の不足も要因として挙げられる。PTとして介護予防・健康づくりなど行政と連携した保健福祉事業への参画が望まれる。