理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: RO542
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教育
臨床実習の行動に対する学生の意識について
*岩崎 裕子酒井 桂太大床 桂介中原 照男浜田 慶子御厨 征一郎
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キーワード: 臨床実習, 行動, 意識
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抄録
【目的】臨床実習の評価は、基準が評価者の主観的判断に委ねられているために評価者と学生の認識にズレがある場合がある。特に態度面の評価は、テストや課題実施による知識・技術面の評価に比べて難しい。しかし、臨床実習では知識・技術面よりも問題となりやすく、問題と指摘される場合は余程の場合であり、決められた実習期間内での改善は困難なことが多い。そこで今回、臨床実習において学生が実際にどのように行動したらよいと考えているかについて調査し、検討した。【方法】本校は臨床実習の評価に日本理学療法士協会の「臨床実習教育の手引き第3版」に示される評価表を用いている。この評価表を基に態度面に関係する1)専門職への適性およびふさわしい態度10項目と3)症例報告の作成・提出・発表3項目の計13項目について、臨床実習においてどのように行動したらよいかを臨床実習前の3年生(見学実習は終了)43名と実習後の4年生39名にアンケート調査を行った。一昨年、我々が過去4年間の合格者と不合格者の評価を比較したところ、小項目33項目中(1)時間的観念をもち、責任ある行動がとれる、(2)期限内に提出できる、(3)職員との人間関係が保てる、(4)知識・技術に対する向上心・探究心を発揮することができる、(5)患者との信頼関係を築くことができるの5項目で差が大きかったことから、今回はこの5項目について集計した。【結果】各項目において最上位項目は(1)時間的観念をもち、責任ある行動がとれる;3年生は余裕のある行動をする27名(4年13名)に対し、4年生は遅刻をしない14名、(2)期限内に提出できる;3年生は早めにとりかかる26名(4年8名)に対し、4年生は計画を立てる14名、(3)職員との人間関係が保てる;3年生、4年生共に挨拶をするで、各々37名、22名、(4)知識・技術に対する向上心・探究心を発揮することができる;3年生、4年生共に質問するで、各々27名、24名、(5)患者との信頼関係を築くことができる;3年生は自信のない態度をとらない15名(4年4名)に対し、4年生は話を聞く16名であった。また、各項目の上位3項目中、3年生では上がらなかった項目は(1)(2)ともに計画を立てる、(3)相手の言うことを素直に聞く、(4)学習した結果をSVに確認する、(5)自分のことも話す、病室に通うであった。3年生では5項目中3項目が心がけであり、具体的な行動ではなかったが、4年生では全項目行動であった。また、3年生で最上位であったものは4年生では全項目人数が減少していた。【考察】実習前の学生の意識は、実際の行動よりも意欲として心がけるという傾向がみられた。一方、実習後の学生はより具体的な行動を意識しており、また、行動について実習後の学生は様々な態度・行動を意識している。しかし、学生の考える具体的行動は実習前後で似通っている部分が多く、実際に示せる行動も学生が意識している範囲では限られていることが示唆された。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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