理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: RP819
会議情報

教育
関節可動域測定教育の視覚障害支援機器
デジタル関節角度計の試作
*川合 秀雄須田 勝
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
1.はじめに 関節可動域の角度測定は、理学療法の評価において必要不可欠な項目であり、理学療法士やその学生にとって大きな課題である。しかし、視覚障害を有する学生等には関節角度の数値の読み取りに困難を呈する情況である。2.目的 本研究は、角度の読み取りに困難をきたす視覚に障害をもつ学生が、支援機器を必要とするのか、どのような機器を求めているのかなどを明らかにすることを目的とする。 今回角度計の微細な目盛りを読み取ることがなく、容易に数値を確認できるデジタル関節角度計を試作した。そして、試作したデジタル角度計を学生に提示し、関節可動域測定における視覚障害支援の必要性を調査し検討する。3.コンセプト 角度をデジタル化するにあたり、ハードウエアの構成コンセプトを以下のようにした。視覚障害の支援が可能なこと。数値をデジタルで表示すること。1度単位で角度の読み取りが可能なこと。基本軸と移動軸のアームを有すること。小型で軽量にすること。乾電池で駆動することである。本試作はコンセプトを提示する最低の機能を有すモデルとした。4.結果4.1.試作したデジタル関節角度計 試作したデジタル関節角度計は、センサーとアーム部、制御及び表示部、電源部の3つの部分から構成されている。制御及び表示部では、上記の電子部品を基盤に実装し、縦92mm、横52mm、奥行き 22mmの筐体に収納した。4.2.精度 精度については、基本的にセンサーであるロータリーエンコーダの性能に依存する。今回使用したエンコーダは一周360パルスを発生し、1パルスが1度に対応しており、1度以下は読み取ることが不可能である。システム全体の精度は、0度から移動アームを固定アームに対して通常の速さで時計回りに1周回転させたときの数値は、360度(2桁表示のため数値は60)であり、再び逆回転で1周させた場合、表示は0度であった。4.3.視覚障害学生の反応 試作したデジタル角度計を理学療法学科の関節可動域測定を既に学んだ視覚障害を有する学生11名に提示し、質問に対する意見を聞き取り調査した。調査内容は、1)このような視覚障害支援機器は有効と思いますか。2)このような視覚障害支援機器があった場合、使用してみたいと思いますか。の2問である。その結果、1)の問いに対して全員が視覚障害技術支援機器として有効であると回答し、2)の問いに対しても、全員が使用してみたいと回答した。5.考察 今回デジタル角度計のコンセプトモデルを提示することにより、関節角度測定における視覚障害学生の障害支援に対する関心は高く、期待も高いことがわかった。
著者関連情報
© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top