理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: TP609
会議情報

健康増進
一般のプールと水中トレッドミル歩行の呼吸循環応答の比較
*近藤 和夫辻田 孝輔
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】本研究の目的は、生活習慣病の予防や改善のために、一般のプールで行なわれる水中歩行の運動強度について、酸素摂取量(V(dot)O2)、血圧、脈拍を測定し検討することである。【対象】循環器疾患や骨関節疾患の既往の無い健常成人6名を対象とした。内訳は男性3名、女性3名で、年齢は25_から_44歳、平均32.0±7.5歳である。平均身長165.7±11.5cm、平均体重58.4±1.8kgであり、肥満のない標準体型である。【方法】1.トレッドミルを用いた嫌気性代謝閾値(AT)の測定呼気ガス分析装置Meta Maxを用い、ATを求めた。2.一般のプールにおける測定全長25mのプールにおいて、個々の快適な歩行速度で5分間歩行し、最後の1分間のV(dot)O2を平均して求めた。歩行の前後には入水下で、血圧、脈拍数を測定した。プールの水深は1.2m、室温は34℃、水温は29.5_から_30℃であった。3.水中トレッドミルによる測定プールでの快適な歩行速度と同等の速さで5分間歩行し、同様にV(dot)O2、血圧、脈拍数を測定した。また、水中トレッドミルにおける個々の快適な速度においても同様の測定を行なった。水中トレッドミルはヤマハ社製アクアトレーナーを使用、水深は1.1m、室温31℃、水温33℃に設定して行った。なお、歩行はすべて手すりを用いず、裸足にて行った。【結果】1.プールおよび水中トレッドミルでの快適な歩行速度プール内平均歩行速度は26.4±4.0 m/min、水中トレッドミルでは62.5±6.4m/minであり、プール内での歩行速度の約2倍に相当した。2. プールおよび水中トレッドミルでの血圧、脈拍数の変化歩行の前後において、血圧に大きな変化はみられなかった。脈拍数もプールにおいてはほとんど変化がみられなかったが、水中トレッドミル内における個々の快適な速度では若干の増加傾向がみられた。3. V(dot)O2プール内での快適な歩行と、水中トレッドミル内での快適な速度での歩行には、V(dot)O2において有意な差を認めず、その値はATの約70%に相当した。【考察】今回の結果からは、「プールで歩き易い速さで歩く」運動はAT値の約70%強度であり、やや低めの運動強度であった。しかし脈拍、血圧の上昇がほとんどなく、高血圧症者などが生活習慣病の予防や改善を目的として行う運動としては、好ましいと考えられる。
著者関連情報
© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top