理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 199
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理学療法基礎系
加齢および知的機能がパフォーマンステストと活動との関係に及ぼす影響
*橋立 博幸, 内山 靖
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抄録
【目的】特定の課題の達成程度をみるパフォーマンステストは機能的制限を評価しており、活動(実行状況)と一定の関係があることが知られている。Timed“Up and Go”Test(TUG)は、国際的に信頼性と妥当性が認められている臨床評価指標の1つで応用移動動作を評価するパフォーマンステストであるが、階層構造との関係については十分に検証されていない。そこで本研究では、パフォーマンステストと活動との関係を検証するなかで、特に加齢および知的機能が障害構造の関係に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】対象は通所サービスならびに施設入所サービスを利用する高齢者で、近位見守りレベル以上で歩行可能な82名(男性39名、女性43名)とした。平均年齢79.4±9.5歳、身長152.7±10.2cm、体重52.2±9.8kg、改訂版長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は4~30点であった。検査課題は、TUG(3m至適速度)、Functional Balance Scale(FBS)、Barthel Index(BI)、老研式活動能力指標とした。なお、FBSは身体機能、BIは基本な活動の実効状況、老研式活動能力指標は手段的な活動の実行状況を表す指標と位置づけた。計測値を、全例ならびに前期―後期高齢者、非痴呆―痴呆疑の各群に分類してTUGとFBS、BI、老研式活動能力指標との間のSpearman順位相関係数を算出した。
【結果と考察】TUGは、FBS、BI、老研式活動能力指標とそれぞれ有意な相関を認めたが、階層が上がるとともに相関係数が低くなった(r=-0.74、r=-0.47、r=-0.32)。階層構造におけるレベルが上がるとともにTUGが表す立ち上がり、歩行、方向転換といった動作を基礎として、物的環境、人的環境の要因から様々な影響を受けるために、より鋭敏に日常生活の自立度との相関が変化すると考えられた。また、前期高齢者群より後期高齢者群、非痴呆群より痴呆疑群の相関係数が低かったことから、加齢および知的機能の低下に伴い、特定の検査場面で発揮できるパフォーマンスレベルから基本的および手段的ADLの程度を類推することが困難になると考えられた。また、対象者の身体要因としての立位バランスと日常生活活動の自立度との関連も低くなった。
【結論】パフォーマンステストの結果は活動の実効状況と一定の関係があるが、加齢および知的機能の低下によって両者の相関は低下した。本研究から、パフォーマンステストの結果は、年齢、知的機能を考慮した上で解釈することが不可欠であることが明らかとなった。
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© 2004 日本理学療法士協会
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