理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 328
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骨・関節系理学療法
広域連携による健康増進活動を目的とした健康体操の開発
*木村 貞治三好 圭大平 雅美武藤 香織浜田 淳
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抄録
【目的】長野県M市では,地域住民の主体的参加によって健康増進や福祉を推進していく場として,29地区の福祉ひろばが整備されている.我々は,平成15年,M市からこの福祉ひろばにおける健康増進を目的とした健康体操(以下,体操)の開発を依頼され,地域住民の受け入れや運動効果を考慮した体操の開発と普及活動を開始した.そこで,今回は,開発した体操の安全性や地域住民のコンプライアンスを把握することを目的として,エネルギー消費量の分析と体操に対するアンケート調査を実施したので,ここに報告する.
【対象】1)エネルギー消費量の測定:男性9名,女性2名の計11名の健常成人を対象とした.年齢は20歳から44歳(平均28.1歳)であった.2)体操に関するアンケート調査:各福祉ひろばで,体操を経験した女性432名,男性81名の計513名を対象とした.年齢は40歳から90歳(平均69.8歳)であった.全ての対象者には研究内容を説明し,研究に対する協力の同意を得た.
【方法】1)体操の開発:地域住民が楽しく,継続的に実施できる体操とするために,長野県民が聞き親しんでいる県歌「信濃の国」に合わせて,柔軟性,平衡感覚,協調性,敏捷性,筋力,持久性などの運動要素を維持・改善できるような体操の内容とした.2)エネルギー消費量の測定:約6分間の体操実施中の呼気ガスを携帯型呼気ガス分析装置(アニマ製,AT1100)を用いてブレスバイブレスで測定し,消費カロリー,代謝当量(METS)の平均値及び最大値を求めた.3)アンケート調査:各福祉ひろばで体操を実施した513名を対象として,体操の楽しさや疲労感についてのアンケート調査を実施した.
【結果】1)エネルギー消費量について:体操によるカロリー消費量は,21.0±4.2kcal(mean±SD),体操中のMETSの平均値は3.7±0.7,最大値は5.7±1.5であった.2)アンケート調査について:体操の楽しさに関しては,「すごく楽しい」,「やや楽しい」の合計が380名(74.1%),「どちらとも言えない」が81名(15.8%),「ややつまらない」,「すごくつまらない」の合計が48名(9.4%)であった.疲労感に関しては,「すごく軽い」,「やや軽い」が325名(63.3%),「どちらとも言えない」が80名(15.6%),「やや疲れる」「すごく疲れる」が97名(18.9%)であった.
【考察】今回開発した体操が,今後,継続的な運動習慣の1つとして活用されていくためには,体操の楽しさや快適感が大きく影響するものと考える.今回の調査では,7割以上の参加者が楽しいと感じ,運動強度も概ね軽いと感じられていることから,今後,福祉ひろばを中心として,広域での健康増進活動の一環として利用されていくことが期待される.しかし,「6分間は長すぎる」,または,「少しペースが速い」などの意見も認められたため,歌詞を口ずさむことによって体操の長さやペースを調整するなどの工夫を行っていくことが,今後の課題であると示唆された.
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© 2004 日本理学療法士協会
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