理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 873
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神経系理学療法
脳卒中片麻痺患者における半側空間無視とADLの関係
―半側空間無視の重症度とBarthel Indexから―
*濱中 康治久保 晃小林 修二
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抄録
【はじめに】脳卒中片麻痺患者における半側空間無視(以下USN)については、その重症度とADL自立度の関係については統一された見解が得られていない。筆者らは、第39回本大会で「半側空間無視が歩行自立度に与える影響」と題し、脳卒中後片麻痺患者において「理学療法室内のできる歩行」を「病棟内でのしている歩行」に般化させる際のUSNの関与を報告した。今回はUSN重症度とBarthel Index(以下B.I)を用いたADL能力の関係を検討した。
【対象】対象は、H14.7.1からH15.6.1までに当院に入院した脳卒中患者のうち疾患を初発の脳梗塞と脳出血に限定、入院時に机上検査にてUSNの所見があり、入院後約3ヶ月間継続してPT・OT・STを実施した43例とした。年齢は66.7±10.0歳、男性23例、女性20例、発症から入院までの期間は1.3±0.8ヶ月、診断名は脳出血20例、脳梗塞23例、損傷側は右半球32例、左半球11例であった。
【方法】入院時・1ヶ月時・3ヶ月時にUSN重症度とB.Iを用いたADL評価を実施した。USN重症度は机上検査(線分末梢、線分二等分、図形模写)を用い、森田らの判定を採用した。この判定方法は3検査の成績を量的に0から3点の4段階に分類し、3検査の合計点数により判定する1)。B.I得点とUSN重症度の関係はSpearmanの順位相関を用いた。
【結果】入院時のUSN重症度とできるB.Iの相関はρ=-0.66、1ヶ月時のUSN重症度とできるB.Iの相関はρ=-0.60、3ヶ月時のUSN重症度とできるB.Iの相関はρ=-0.78、入院時USN重症度と3ヶ月時できるB.Iの相関はρ=-0.68となった(全てp<0.01)。入院時のUSN重症度としているB.Iの相関はρ=-0.66、1ヶ月時のUSN重症度としているB.Iの相関はρ=-0.62、3ヶ月時のUSN重症度としているB.Iの相関はρ=-0.78、入院時USN重症度と3ヶ月時しているB.Iの相関はρ=-0.66となった(全てp<0.01)。
【考察】今回の検討結果から、入院時から3ヶ月時までのできるB.I得点、しているB.I得点とUSN重症度の関連は相関係数ρ=-0.594~-0.780とかなり高く、入院時より3ヶ月時の方がUSN重症度とB.I得点の相関が高くなることが判明した。USN重症度にも変化を認めるため、定期的なUSN重症度評価の実施が必要である。また入院時・1ヶ月時のUSN重症度と3ヶ月時のB.I得点にも相関が認められることから、入院時にUSN所見を認める症例に対し、USN重症度を用いて3ヶ月時B.I得点を推測できる可能性が示唆された。
【参考文献】1)森田秋子,石合純夫:半側空間無視の長期経過とMini-Mental Stateの関連について.神経心理学,2002,18:212-217
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© 2005 日本理学療法士協会
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