理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 346
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骨・関節系理学療法
関節リウマチに対する人工膝関節置換術後のPTプログラム短縮の影響
*島津 尚子向山 ゆう子熊木 由美子上杉 上畠中 泰司水落 和也
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キーワード: 関節リウマチ, 移動能力, TKA
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抄録
【はじめに】当院では関節リウマチ(以下RA)の術後理学療法(以下PT)に携わる機会が多く、第28回本学会において下肢多関節置換術後患者の移動能力の推移について報告した。近年、術後荷重スケジュールが早期化し、PTも術後早期より介入している。そこで、人工膝関節置換術(以下TKA)術後スケジュール変更に伴う入院中のアウトカム、退院時の移動能力への影響、PT内容について検討する。
【対象及び方法】対象は2003年4月から2004年3月までに当院でTKA(再置換術を含む)を施行し術後PTを行ったRA患者女性13例、14膝関節。年齢は66.6歳、平均罹患期間は21.6年、SteinbrockerのStageは2が1例、3が7例、4が6例だった。対照群は1991~2002年にTKAを施行した多関節(2関節以上)置換術後患者13例14膝関節(再置換術を除く)とした。対照群は年齢59.3歳、平均罹患期間は17.8年、SteinbrockerのStageは2が1例、3が10例、4が2例であった。以上の対象の診療録より入院、PT、術後PT開始までの期間、PT内容、移動能力について後方視的に調査した。
【結果】対象の手術歴は単関節置換術が2例、多関節は12例で、入院期間は平均34.6日、PT期間は25.6日、術後PT開始までの期間は3.39日、全荷重開始までの期間は9.05日で、最終転帰は自宅退院12例、転院2例であった。対照群では平均入院期間は38.5日、PT期間は20.4日、術後PT開始までの期間は8.14日、全荷重開始までの期間は21.6日であった。対象の入院前の移動能力は藤林らのclass分類で3bが2例、3cが6例、3dが5例、4bが1例で、退院時は維持8例、低下6例、自宅退院例では、入院前より電動車いすを使用していた1例を除く11例が屋内歩行は獲得していた。その後外来でフォローした10例の最終能力は、入院前と比較し改善7例、維持3例で、大半は庭程度の歩行は可能となっていた。対照群は入院前で3aが4例、3bが1例、3cが6例、3dが3例で、退院時は改善3例、維持7例、低下4例で13例は庭程度の歩行は獲得していた。PT内容は早期より全荷重が許可されるが、疼痛の増強しない範囲から歩行器を使用し立位、歩行へと進めた。対照群では部分荷重期があるが上肢の免荷能力が低く詳細な荷重コントロールが困難なため、Tilt tableや歩行器を使用し立位訓練を施行し、全荷重が許可されてから歩行訓練に移行していた。
【考察およびまとめ】術後の荷重スケジュールの早期化、入院期間の短縮がみられたが、従来と同様のアウトカム、移動能力も概ね同様の能力を再獲得できた。早期より立位・歩行訓練を施行するため、創部の疼痛除去や上肢の免荷能力に留意しプログラムを進めることが重要であった。
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© 2005 日本理学療法士協会
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