理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 413
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骨・関節系理学療法
関節可動域測定におけるElectoronic Goniometerの臨床応用について
*横山 浩康萩原 礼紀曷川 元
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キーワード: 角度計, 関節可動域, 評価
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抄録
【はじめに】我々理学療法士の臨床業務において、頻度の高い評価項目として関節可動域(以下ROM)測定がある。ROM測定を行う際には、手術や変形性関節症により痛みを訴える患者を経験し、測定に難渋する事が多い。このような問題は測定が正確かつ迅速に行えることが解決策の一つであると考える。そこで我々はElectoronic Goniomemer(以下E-ゴニオ)を用いた測定により、患者に与える効果について検討を行った。
【対象と方法】平成16年7月から11月の間に理学療法の依頼があった整形外科疾患患者42名に対し、E-ゴニオと東大式鉄製角度計(以下東大式)を用いて、痛みのある関節のROM測定を行った。測定データの比較は、角度計の違いによる、患者の感じる痛みと測定時間(カルテ記載時間も含む)で行った。痛みの評価は、visual analog scale(以下VAS)の平均値を比較した。測定を行う際には角度計の操作は片手で行うことを基本とした。検定方法にはMann-WhitneyU検定を用い有意水準1%未満で有意差ありとした。
【結果】VASの平均値はE-ゴニオ1.9±1.5(MEAN±SD)、東大式4.6±1.8であり、E—ゴニオの使用でVASの値は有意に低下した(P<0.01)。測定時間はE-ゴニオ1.8±2.8分、東大式3.6±4.9分でありEゴニオの使用により測定時間は有意に減少した(P<0.01)。
【考察】実験の結果からE-ゴニオの使用によりVASにおいて、患者の感じる痛みに軽減傾向がみられた。これは、1)測定時に片手操作が容易に行えることから、測定を行う際に慎重に他動運動が行え、痛みへの配慮が行えたこと、2)測定時間が減少したことから痛みを生じている時間が減少したこと、が原因と考える。また、従来型鉄製角度計の金属的な恐怖感がE-ゴニオにはなかったことも一因と考えられる。測定時間においては、メモリー機能及び外部出力機能によりメモをとる必要とカルテ記載の必要がなく時間の短縮につながったと考える。本実験から、E-ゴニオの使用による臨床効果として、1)痛みを伴うROM測定時の患者負担が軽減し、関節保護を行いながらの測定の実現が可能となること、2)測定時間の減少により治療及びエクササイズ時間の確保が行え、患者サービスの向上が実現できること、が考えられる。先行研究によりE-ゴニオは、正確性・再現性において従来型角度計に比して優れた傾向を示しており今後、臨床での応用が期待される。
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© 2005 日本理学療法士協会
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