2023 年 29 巻 p. 461-466
近年の異常な降雨・出水の頻発を受け,水力発電ダムも貴重な防災資産として全ダムを対象に気象庁降雨予測に基づく事前放流を実施している.現行の事前放流の取組は,3日程度先までの気象庁降雨予測によるため,流況やダム水位によっては発電を伴わない洪水吐からの無効放流により水位低下させる場合が想定される.そこで,洪水吐を使用せずに発電放流のみで所定の目標水位まで水位低下させ,再生可能エネルギーの有効活用と事前放流による洪水軽減を同時に実現することを目的として,天竜川水系の水力発電ダム群を対象に15日先までの長時間アンサンブル降雨予測情報の活用手法を考案し,実運用への適用性評価と,増電および洪水軽減ポテンシャルを評価した.