理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 956
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骨・関節系理学療法
女性人工股関節形成術後外来通院患者の日常身体活動の現状と関連要因
*小野 玲平田 総一郎山田 実瀧川 悟史西山 隆之
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抄録
【目的】近年、高い身体活動は糖尿病、高血圧症、高脂血症などの生活習慣病の罹患率を低下させることが証明され、先進国では国をあげて国民の身体活動を高める健康政策を実施している。人工股関節形成術(THA)は、関節の痛みとADLを改善する優れた治療法であり、海外のコホート研究では、THA術後患者の生活習慣病の罹患率が同年代と比較して低く、その原因の一つとして術後の活動的な生活習慣を示唆している。また活動的な生活習慣は、人工関節の緩みの要因になると危惧されていたが、欧米では日常の中強度程度の身体活動は緩みに繋がらないとする報告もある。一方、本邦では欧米と異なりTHA術後患者の日常身体活動を制限する傾向にあるが、日常活動量に関する研究は少ない。本研究の目的は女性THA術後外来通院患者における日常身体活動の現状を把握し、その関連要因を検討することである。
【方法】対象者は神戸大学整形外科にTHA術後定期的に外来通院している女性患者33名(66.6±8.2歳、片側手術20名、両側手術13名)で、術後1年以上経過し、調査時点で手術側以外に歩行や移動能力の障害となる疾患を有しておらず、本研究に同意した者であった。日常の身体活動は運動記録器による1週間の平均歩数と、内蔵の加速度計より算出された中強度の1日平均時間とした。関連要因は疾患特異的機能低下を測定するHarris Hip Score(HHS)と、健康関連QOLを測定するSF-36の8つの下位項目とし、活動量との関連にはSpearmanの相関係数を使用した。P値5%未満を有意とした。
【結果】平均歩数は5346歩、年代別では50歳代が5672歩、60歳代が6017歩、70歳代以上が4526歩であった。平均時間は7.8分、年代別では50歳代が9.5分、60歳代が6.7分、70歳代以上が7.9分であった。平均歩数とはSF-36の下位項目の身体機能、日常役割機能(身体と精神)、全体的健康感が中等度の正の相関を、平均中強度活動時間はHHS、日常役割機能(身体と精神)、全体的健康感と中等度の正の相関を認めた。
【考察】竹島らは平均72歳の高齢女性を対象とし同機種の運動記録器を用いた調査を行い、平均歩数が7205歩、平均時間が22分と報告している。本研究の結果は、THA術後女性患者の日常身体活動の低下が示され、健康増進の観点からは、THA術後患者にも身体活動を高める必要がある。本研究の結果から、そのためには身体的な機能のみならず、日常役割や全体的健康感へのアプローチが有効であるかもしれない。しかし、本研究は横断研究であり、因果関係については議論できず、対象者の一般性も確保できていないため、今後さらなる研究が必要である。
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© 2005 日本理学療法士協会
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