理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 977
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骨・関節系理学療法
当院回復期リハビリテーション病棟におけるクリニカルパスの活用と効果
*山下 淳一定松 修一高岡 達也坪内 健一中田 裕子伊東 孝洋山本 美香河野 宏美
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抄録
【目的】当院は、一般病床745床を有する急性期病院であるが、術後早期に積極的なリハビリを施行(2003年5月より365日体制)することで、ADLの早期自立及び平均在院日数の短縮を目的として2002年8月に回復期リハビリテ-ション病棟(以下リハ病棟)39床(現在40床)を開設した。また、チ-ム医療の推進・治療の質の向上・情報の共有等を目的に、2002年10月より転入患者全員にリハ病棟独自のクリニカルパス(以下パス)の使用を開始し、以後4回の改訂を行い2003年9月より現在のパスを使用している。そこで今回は、リハ病棟において現在使用しているパスの活用と効果について検討し報告する。
【対象及び方法】2002年8月1日~2004年8月31日の間にリハ病棟に転棟した975名の内、処置・検査等で一般病床へ転出となった44名を除く931名を対象とした。方法は、2003年9月以前に転棟した患者をA群、以後をB群とし、疾患名・手術名・在院日数・在棟日数・転帰先・転帰日と転帰予定日との差等について調査した。
【結果】A群は475名(男性152名・女性323名・平均年齢65.9歳)であった。疾患名は、OA143名・上下肢骨折122名・脳卒中68名・RA57名・肩及び膝関節疾患35名・その他50名であり、手術名は、TKA106名・THA82名・観血的整復固定術78名・鏡視下関節手術35名・BHP32名・その他60名、保存療法82名であった。平均在院日数35.3日、平均在棟日数29.5日、転帰先自宅341名・転院134名、予定日との差平均4.8日であった。B群は456名(男性137名・女性319名・平均年齢61.4歳)であった。疾患名は、上下肢骨折117名・OA111名・肩及び膝関節疾患80名・RA61名・脳卒中25名・その他62名であり、手術名は、TKA96名・観血的整復固定術86名・鏡視下関節手術80名・THA68名・BHP26名・その他27名、保存療法73名であった。平均在院日数30.9日、平均在棟日数25.7日、転帰先自宅351名・転院105名、予定日との差平均2.2日であった。また、在院日数・在棟日数・転帰予定日との差についてt検定を行ったが、両群間に有意差は認められなかった。
【考察】当院リハ病棟は、2003年5月以降理学療法士6名にて365日リハビリを実施できる体制とした。しかし、一人の患者に対して多くの理学療法士が治療することより、使用するパスには医療の標準化は勿論のこと、医療の質及びリスク管理も必要とされた。そこで、医療者用パスには全体的な治療予定表やアウトカムの項目以外に、それぞれの職種の担当が、初期評価の結果より前期・後期・退院時の治療目標を記入することにした。目標の妥当性及び治療内容については、カンファレンスやベテランの理学療法士が担当した際にフィ-ドバックを行うことにしている。これにより、有意差は認められなかったが、短期間で約8割の患者が自宅退院しており、スム-スな患者の入退院が行えてきている。
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© 2005 日本理学療法士協会
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