抄録
【はじめに】訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)では、訪問リハ実施計画にて目標を設定しサービスを提供している。しかし、この目標設定が不十分で曖昧であることが多く、訪問リハが終了期にあるにもかかわらず長期化しているケースも多い。そこで今回、利用者へのアンケート調査を実施し、あわせて訪問リハ実施計画書より理学療法士(以下PT)が設定した目標について調べ、検討を行ったのでここに報告する。
【対象・方法】平成16年10月現在で当院訪問リハを利用している33名(男性13名、女性20名)平均年齢75,6歳(28歳~100歳)介護度の内わけは、要介護1→6名・要介護2→4名・要介護3→5名・要介護4→5名・要介護5→10名・要支援→1名・医療保険→2名、平均訪問期間1年10ヶ月(2ヶ月~4年7ヶ月)*方法:利用者(回答可能な者)とその介護者(介護者がいる場合)に「訪問リハに対する希望」「在宅生活で希望すること」をアンケートにより調査。訪問リハ実施計画書より利用者各々の目標を調査した。
【結果】アンケートに対して回答が得られた利用者は19名、介護者は18名だった。アンケートの回答、訪問リハ実施計画書の目標はそれぞれICF(WHO国際生活機能分類)の概念により、心身機能・構造に関する内容(以下〔1〕)、活動に関する内容(以下〔2〕)、参加に関する内容(以下〔3〕)の3つに分類した。訪問リハに対する希望:利用者〔1〕19名(機能維持、改善など)〔2〕〔3〕に関しては0名、介護者〔1〕18名(現状維持、機能改善など)〔2〕〔3〕に関しては0名、在宅生活での希望:利用者〔1〕5名〔2〕10名〔3〕4名、介護者〔1〕14名〔2〕1名〔3〕0名(その他3名)、訪問リハ実施計画書の目標:〔1〕31名(疼痛軽減、廃用症候群予防、心身の機能維持などが23名・起居動作、離床などが8名)〔2〕2名〔3〕0名
【考察】今回の結果では、訪問リハに対する希望・要望で利用者・介護者すべてが心身機能・構造に関する回答をしており、依然としてリハビリに対して機能訓練的なイメージが強いことがうかがえた。一方、在宅生活に対する希望では、利用者群で日常生活での活動および社会の中での生きがい・役割などを求めている回答が多かった。しかし、PTの計画した目標はほとんどが心身機能レベルでの目標であり、期間設定ができず具体性の欠けた目標が多く、利用者の真の在宅生活での希望は反映されていないものとなっていた。これまで訪問リハを実施する場合、専門職が一方的に評価(機能評価を中心)し、目標設定等行っている場合が多かった。今後、私たち専門職が関わる際、導入時期での本人・介護者の意向、希望を十分に考慮し、活動・参加レベルでの評価をより具体的に行い、本人・介護者の同意のもと、より個別性のある目標設定を行っていくことが大切であると考える。