理学療法学Supplement
Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 194
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骨・関節系理学療法
冬期間における身体活動量の検討
歩数からみた積雪期と非積雪期の比較
*小田桐 愛三浦 雅史
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キーワード: 身体活動量, 積雪期, 歩数
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抄録
【目的】
 一般に、冬期間はそれ以外の季節に比較し、身体活動量の低下が報告されている。特に、青森県のように冬期間、積雪を余儀なくされる地域では閉じこもりや生活習慣病の増加が問題視され、健康維持・増進の点からも重要な課題といえる。しかし、このような特性を有する地域の身体活動に関する調査はほとんどない。本研究では積雪期と非積雪期の身体活動量を比較し、積雪期の身体活動量について明らかにすることを目的とする。
【方法】
 対象は青森県津軽地方に居住する中高年者20名とした。9名がリンゴ生産を主とする農家、11名が都市部に居住するものであった。なお、この地域は冬期間、1m以上の積雪を有する地域であった。対象には研究内容を説明し、同意を得た上で本研究に参加して頂いた。また、本研究は青森県立保健大学倫理委員会の承認を得て行われた。調査期間は積雪期として1月から3月まで、非積雪期として7月から9月までの各3ヶ月間とした。身体活動量の指標は歩数とした。対象は調査期間中、歩数計を装着した。歩数計はライフコーダー(スズケン社製)を使用した。データはライフコーダーより得られた3ヶ月間の歩数から、1日あたりの歩数を算出した。データは積雪期と非積雪期について一日あたりの歩数を比較した。また、農家と都市部についても比較した。統計はpaired-t検定、多重比較検定を用いた。有意水準を5%未満とした。
【結果】
 調査中、農家の1名が入院したため、データはこの1名を除く19名について分析した。平均年齢は61±8歳であった。一日あたりの歩数は積雪期が6,690.0±2,616.9歩、非積雪期が11,207.1±1,688.3歩であり、積雪期で有意に低値を認めた(p<0.05)。農家について積雪期と非積雪期の歩数を比較すると、積雪期で有意に低値を認め(p<0.05)、都市部についても同様の傾向が認められた。積雪期において農家と都市部の歩数を比較すると、有意に都市部で低値を認めた(p<0.05)。一方、非積雪期では両者に有意さを認めなかった。
【考察】
 本調査より、積雪期には歩行を中心とした身体活動量の低下が示唆された。一日あたりの歩数に関する全国的な調査(厚生労働省国民栄養調査)では、今回の対象と同年代の歩数は平均7,335歩であり、本調査の積雪期では全国平均を下回る結果であった。また、特に積雪期の都市部では身体活動量が少なくなる傾向があり、注意を要することが示唆された。一方、非積雪期では全国平均を上回り、1万歩以上歩行していることが認められた。健康維持・増進の視点から積雪期での身体活動量確保が重要な課題といえる。
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© 2006 日本理学療法士協会
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