理学療法学Supplement
Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
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急性期脳血管障害患者におけるBerg Balance ScaleとFIMの関連性について
田口 瞳保苅 吉秀北原 エリ子糸澤 季余美大田 和可子岩橋 智史新保 松雄
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p. Bb0520

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抄録
【はじめに、目的】 脳卒中ガイドラインでは急性期リハビリテーションにおいて、『廃用症候群を予防し、早期のADL向上と社会復帰を図るために、十分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションを行うことが強く勧められる(グレードA)』とある。当院では急性期脳血管障害(以下CVA)患者において早期から抗重力位での姿勢コントロールを中心としたリハビリテーションを展開しており、第46回日本理学療法学術大会において急性期CVA患者に対して立位バランスの評価スケールとしてshort form of the Berg Balance Scale(以下SFBBS)を用いてBarthel Indexとの関連性を報告した。今回、我々は日常生活の中での特に移動機能との関連性を見出すためにFIMの移乗・移動の項目とSFBBSとの関連性とその経過を調査したので報告する。【方法】 対象は、2011年4月から2011年10月の7ヶ月間において当院における急性期CVA患者76名(男性53名、女性23名、年齢68.9±14.4歳)である。疾患名は脳出血19名、脳梗塞55名、くも膜下出血2名、麻痺側は右片麻痺33名、左片麻痺25名、両側片麻痺1名、失調症17名であった。またリハビリテーション実施期間は29.9±22.4日であった。測定はFIM、 SFBBSを安静度が立位・歩行可になった時点とリハビリテーション終了時の2回計測した。発症から初回評価時までの期間は7.1±11.6日であった。FIMは、より立位・歩行機能との関連を評価するため、移乗・移動の項目(移乗、トイレ、浴槽、歩行・車椅子、階段)を用い、計35点を満点とする評価とした。統計学的解析は、t検定を用い有意水準は危険率1%未満とした。またSFBBSとFIMの関係性を相関係数を用いて検討した。【倫理的配慮、説明と同意】 全ての症例や家族に対してヘルシンキ宣言に基づき、研究内容を口頭で説明し同意が得られたのち実施した。【結果】 FIMは初回評価時13.0±8.4、終了時25.2±9.6、SFBBSは初回評価時3.9±4.6、終了時8.4±4.7となりいずれも有意差を認めた(p<0.01)。初回評価時のFIMとBBSの関連性は、相関係数(以下R)=0.84、終了時はR=0.91となりいずれも有意な強い正相関が認められた。【考察】 当院急性期CVA患者のリハビリテーションにおいて初回評価時、終了時ともにFIMとSFBBSの間には関連があることが確認された。また各項目とも初回評価時、終了時の比較において改善が認められた。急性期CVA患者において、個別的にリスク管理をしながら早期の立位・歩行に向けて患者の問題点の評価・治療を追求することは、症例の機能改善に有効な結果が得られたものと思われ、これらを評価するためにSFBBSを用いることは日常生活動作での移乗・移動機能との関係を比較する上で有効であると考える。今後の展望として、さらにFIMとSFBBSの細項目との関連性を分析し、急性期CVA患者の移動機能を中心としたADLの改善に影響する因子についての検討を進めていきたい。【理学療法学研究としての意義】 急性期CVA患者での日常生活動作で移乗・移動の評価と立位バランス機能との比較において、急性期リハビリテーション介入との関連性を見出せる一つの要点と思われる。
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© 2012 公益社団法人 日本理学療法士協会
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