理学療法学Supplement
Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
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一般演題 口述
佐賀県下での医療連携に向けた呼吸リハビリテーションの取り組み
上田 真智子直塚 博行江越 正次朗今泉 裕次郎市丸 勝昭阿波 邦彦白仁田 秀一堀江 淳田中 将英林 真一郎
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p. Da0317

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抄録
【はじめに、目的】 佐賀県下では近年まで呼吸リハビリテーションを積極的に行えている施設が少なく、また、急性期から維持期まで連携して呼吸リハビリテーションが提供できている地域もほとんどなかった。平成22年より呼吸リハビリテーションの臨床連携と教育・研修活動を目的とした佐賀包括的呼吸リハビリテーション研究会を発足し、様々な取り組みを行ってきたので、これまでの活動状況を報告する。【方法】 教育・研修活動内容として、平成21年5月より佐賀県の呼吸リハビリテーションを担う理学療法士を育成する目的で、佐賀県中部、南部地区の理学療法士を中心として10数名より呼吸リハビリテーションリーダー研究会を発足。月1回、その中核メンバーにより、解剖生理などの基礎的な内容の講義練習から始め、徐々に研究発表や英文抄読などの応用的な内容の発表を行った。次に、地域における医療従事者に対する呼吸リハビリテーションの技能向上を目的として、約半年で全7回の呼吸リハビリテーション研修会を開催。この研修会は平成21年より継続して毎年開催している。このリーダー研究会メンバーに医師や看護師、臨床工学技士も加わり、平成22年度より佐賀包括的呼吸リハビリテーション研究会を発足。この年度より年1回外部より講師を招聘し、講演会を開催。平成23年度からは実技講習会を開催し、これは地域連携を行っていく上で統一した評価が行えることを目的とした。臨床連携の活動としては、平成23年度より地域連携型呼吸リハビリテーションクリティカルパスを作成し、佐賀大学医学部附属病院を基幹病院として運用を開始した。【倫理的配慮、説明と同意】 ヘルシンキ条約に基づいて活動を行った。【結果】 年々、当研究会主催の研修会開催数は増加しており、呼吸リハビリテーション研修会受講者数に関しては毎回200名程度の参加があり、看護師や介護関係の職種の参加も増えてきている。また、佐賀県各地区単位で、当研究会の中核メンバーが中心となり呼吸リハビリテーション勉強会を開催したり、各地区での医療連携活動も行われるようになってきた。さらには、各メンバーにより学会への参加、研究発表も積極的に行っている。この研究会活動を通して、地域連携型呼吸リハビリテーションクリティカルパスによる呼吸リハビリテーションの継続もまだ少人数ではあるが可能となってきている。他にも、佐賀COPD早期診断プロジェクトや、吸入手技評価の標準化に関しても徐々に取り組み始めている。当研究会会員数も徐々に増加し、平成23年10月末で会員数は40名を超えており、職種も理学療法士だけでなく、医師、臨床工学技士、作業療法士、看護師、薬剤師、管理栄養士等多職種にわたっている。【考察】 当研究会の活動により、呼吸リハビリテーションに対する取り組みが佐賀県各地区で徐々に浸透してきており、呼吸リハビリテーションを継続している患者の急性増悪の減少や、運動耐用能の向上、ADLやQOLの向上など、患者自身に対する効果も数多くみられている。しかしながら今後の課題として、いまだ未診断のCOPD患者の早期発見のため、また包括的に呼吸リハビリテーションを行っていくための地域全体・多職種への呼吸リハビリテーションの啓蒙活動や、呼吸リハビリテーション継続率を高めるための工夫、地域で継続して行うためのメディカルスタッフのスキルアップ、地域での各施設の強みを生かした連携病院の拡大など取り組んでいく必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】 評価を統一し、その評価を継続して行っていくことで、呼吸器疾患患者の特性を把握することが出来、またそれを医療連携だけでなく今後の呼吸リハビリテーションにも反映することが出来ると考える。
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© 2012 公益社団法人 日本理学療法士協会
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