抄録
【はじめに、目的】 2010年診療報酬改定では、脳血管疾患等リハビリテーション(以下、リハ)料は疾患によって、また運動器リハ料は入院と外来で点数の格差がつけられた。当院における診療報酬改定の当てはめ試算(2009年12月実績)では、年間8,400千円の増収予想となり3.6%のプラス改定予想となった。また、回復期リハ病棟においては、「休日リハ提供体制加算」や「リハ充実加算」の算定が可能となれば、大幅なプラス改定となることが予想される。今回は、当院リハ部門の診療状況を調査し、また当院が取り組んでいる部門別損益管理の結果をもとに診療報酬改定の影響やリハ部門の損益状況に関して報告する。【方法】 調査方法は、当院で調査を取り組んでいる、2008年4月より2011年9月までの、(1)1人のセラピストの1月当たりの稼働高(以下、稼働高)、(2)1人のセラピストの1日当たり稼働単位数(以下、稼働単位数)、(3)部門別損益管理の部門受託収益(収入の90%)と経常利益の3点である(2011年度はシステム変更のため現時点では調査できていません)。【倫理的配慮、説明と同意】 本調査は診療点数などの経営に関する調査であり、調査したみさき病院管理会議にて説明し、同意を得ている。【結果】 (1)稼働高(稼働単位数)は、2008年度73,954点(16.3単位)、2009年度74,459点(16.5単位)、2010年度81,767点(16.5単位)、2011年(4~9月)77,179点(16.3単位)となり、稼働単位数に大きな変化はないが、稼働高は増加した。(2)部門受託収益(経常利益)は、2008年度249百万円(55百万)、2009年度237百万円(49百万円)、2010年度255百万円(42百万円)となり、部門受託収益は増加したが、経常利益は前年度を下回った。【考察】 当初は8.4百万円の経常利益増を見込んでいたが、前年度割れをする結果となった。この点については2010年度より当法人の会計基準が変更されたことによるもので、具体的には(1)人件費(賞与・賞与引当金繰入:3百万円超過、企業年金掛け金:2百万円超過、法定福利費:2百万円超過)+経費(後継者対策費:3,000千円超過/リハ奨学生の奨学金)などの関係によるもので、前年度と同様の会計基準で算出すれば、52百万円の経常利益となり、前年度より3百万円の経常利益増となっている。ただし、当初の予想が2009年12月単月のあてはめ試算であったため、大幅な利益増という結果にはならなかった。【理学療法学研究としての意義】 理学療法分野の研究は多岐にわたってきており、管理・運営の分野におけるリハ部門の採算や経営に関する調査は、増員や安定した職場運営に欠かすことのできない分野であり、今後ますます重要になってくるものと考えている。