理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: G-O-05
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一般口述発表
DPC導入後におけるADLと退院先についての検討
若尾 勝徳村 拓哉田中 勇治福光 英彦星 虎男中川 厚
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キーワード: DPC, Barthel Index, 退院先
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抄録
【はじめに、目的】 当院では,2008年より従来の出来高方式からDPC(分類を基にした包括支払制度=診断群分類包括評価)を導入した.DPC導入前後における入院期間と退院先の検討については演者らが第46回日本理学療法学術大会で,DPC導入により1.理学療法開始までの期間および理学療法実施日数の短縮,2.高いBarthel Index(BI)での退院が可能であることを報告した.本研究の目的は,市中一般病院におけるDPC導入後における推移をみるために,1.入院期間,2.理学療法開始までの日数,3.理学療法開始時および退院時のBIなどについて調査,検討することである.【方法】 対象はDPCを導入後の2009年~2012年に入院中理学療法を実施した患者228名(男性98名,女性130名,平均年齢81.3±9.5歳)を対象とした.内訳は2009年92名(男性32名,女性60名,平均年齢86.6±7.8歳),2011年67名(男性30名,女性37名,平均年齢76.4±11.4歳),2012年69名(男性36名, 女性33名,平均年齢80.5±9.2歳)であった.疾患は運動器疾患70名(大腿骨頚部骨折,変形性脊椎症などの運動器不安定症など),脳血管疾患57名(脳出血,脳梗塞など)および廃用症候群101名であった.調査,検討項目はDPC導入後の2009年,2011年および2012年の各時期で比較した.各年における1.入院から理学療法開始までの日数,2.理学療法実施期間,3.理学療法開始時および退院時のBI,4.自宅退院群の開始時および退院時BI,5.退院先(自宅,自宅以外)とし,一部の項目についてはDPC導入前の2007年とも比較検討した.それぞれの調査は入院中の理学療法記録より退院時に抽出した.分析方法は,1~4については,1元配置分散分析および多重比較検定を行い,有意水準は5%未満とした.5については退院先における退院率を算出した.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は当院倫理委員会で承認を得たのち,対象者に本研究の趣旨を説明し同意を得た.各データは個人識別ができないように実施した.【結果】 1.入院から理学療法開始までの日数は,2009年で12.4±14.7日,2011年で11.2±16.8日,2012年で7.4±10.1日であった.2.理学療法実施期間は,それぞれ38.8±56.1日,37.8±36.6日,30.8±27.0日であった.3.理学療法開始時および退院時のBIは,開始時でそれぞれ31.3±25.2,33.0±30.1,31.3±26.0で,退院時BIは52.4±36.0,58.9±37.2,57.2±35.9であった.4.自宅退院群の開始時および退院時BIは,開始時BIは36.6±26.6,40.3±30.7,35.0±26.2で,退院時BIは67.2±30.7,75.0±30.3,64.5±33.7であった.1~4の項目ついては,いずれも統計的有意差は認められなかった.5.自宅退院率はDPC導入前の2007年で66.7%,2009年で67.4%,2011年で68.7%,2012年で82 .6 %で増加傾向がみられとくに2012年が増加した.【考察】理学療法開始までの日数および理学療法実施期間は,年々短縮傾向にあり,DPC導入は,廃用症候群の予防に効果あり, また,入院日数の短縮にもつながっていると考えられる.また,理学療法開始時および退院時のBIについては,DPC導入後は大きな変化が無く,理学療法実施期間が短縮しても,早期の理学療法実施により高いレベルでのBIで退院できることが判明した.そして,市中の一般病院である当院においても,DPC方式の効果による早期離床,早期理学療法開始,早期退院が定着しつつあると考えられる.一方,自宅退院群のBIについては,当然高いBIでの理学療法開始と高い BIでの退院となっているが,退院時のBIの変化に有意な差がみられないにもかかわらず, 自宅退院率が増加しているのは,別な要因が考えられる.即ち,高齢者の増加に伴う老人保健施設などの不足,要支援・要介護者に対する施策の浸透,墨田区の地域特性などによるものではないかと思われる. 自宅退院者が2012年では,全体の8割と増加したことは,退院後の機能の維持,向上のために,デイケアや訪問リハビリテーションなどの退院後の支援体制についてさらなる検討が必要であると考えられる.【理学療法学研究としての意義】DPC導入後,継続調査により,早期の理学療法開始が廃用性症候群を予防し,短い入院日数,高いBIでの退院が可能となる傾向が継続して推移していた.また,近年自宅退院群が増加傾向にあり,退院後の支援体制についてさらなる検討が必要であると考えられる.
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© 2013 日本理学療法士協会
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