理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: E-P-19
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ポスター発表
医療型障害児入所施設に勤務する理学療法士の特別支援学校との連携に関する調査
大矢 祥平宮原 なおみ太田 直樹清水 沙理小林 有貴川間 健之介
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抄録
【はじめに、目的】 各地域にある療育施設に勤務する理学療法士(以下、PT)は、特別支援学校の教員やそこへ通う児を医療的な立場から支援することが求められている.一方で、その連携方法は支援内容や施設からの距離の問題等もあり支援の対象となる学校によって様々である.そこで本研究では、療育施設に勤務するPTがどのような方法で特別支援学校と連携をしているのかを明らかにすることを目的とした.【方法】 全国58か所の医療型障害児入所施設に勤務するPT(各施設5名、計290名)に対してアンケートによる郵送自記式質問紙調査を行った.アンケートの質問は、「隣接・併設されている特別支援学校」の場合と「隣接・併設されていない特別支援学校」の場合に分けて行った.質問項目は支援内容を「姿勢・ポジショニング」、「呼吸介助方法」、「運動・ストレッチ」、「車椅子・座位保持装置の作製」とし、各々における連携方法とその連携感について質問した.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は千葉リハビリテーションセンター倫理委員会の承認を得て実施し、紙面にて研究目的および倫理的配慮を説明し同意を得て行った.【結果】 回収数は191人(65.9%)で、うち有効回答数は156人(53.8%)であった.1)姿勢・ポジショニングについて 「隣接・併設されている」場合、「隣接・併設されていない」場合ともに最も多かった連携方法は「教員に施設に来てもらいPT場面を見てもらう」(各々82.9%、83.3%)だった.また40%以上の回答を得られた方法は、「隣接・併設されている」場合では「施設でのカンファレンスへ教員も出席している」(62.2%)、「学校へ行き直接現場に入って指導・アドバイスをおこなっている」(46.9%)があったのに対し「隣接・併設されていない」場合ではなかった.この支援において連携がとれていると感じている割合は「隣接・併設されている」場合では67.3%、「隣接・併設されていない」場合では22.1%だった.2)呼吸介助方法について 「隣接・併設されている」場合、「隣接・併設されていない」場合ともに最も多かった連携方法は「教員に施設に来てもらいPT場面を見てもらう」(各々71.5%、63.7%)だった.また40%以上の回答を得られた方法は、「隣接・併設されている」場合では「施設でのカンファレンスへ教員も出席している」(47.2%)があったのに対し「隣接・併設されていない」場合ではなかった.この支援において連携がとれていると感じている割合は「隣接・併設されている」場合では35.5%、「隣接・併設されていない」場合では7.2%だった.3)運動・ストレッチについて 「隣接・併設されている」場合、「隣接・併設されていない」場合ともに最も多かった連携方法は「教員に施設に来てもらいPT場面を見てもらう」(各々83.7%、82.0%)だった.また40%以上の回答を得られた方法は、「隣接・併設されている」場合では「施設でのカンファレンスへ教員も出席している」(52.4%)があったのに対し「隣接・併設されていない」場合ではなかった.この支援において連携がとれていると感じている割合は「隣接・併設されている」場合では66.7%、「隣接・併設されていない」場合では31.3%だった.4)車椅子・座位保持装置の作製について 「隣接・併設されている」場合、「隣接・併設されていない」場合ともに最も多かった連携方法は「教員に施設に来てもらいPT場面を見てもらう」(各々73.3%、65.2%)だった.また40%以上の回答を得られた方法は「隣接・併設されている」場合では「施設でのカンファレンスへ教員も出席している」(46.2%)があったのに対し「隣接・併設されていない」場合ではなかった.この支援において連携がとれていると感じている割合は「隣接・併設されている」場合では54.9%、「隣接・併設されていない」場合では24.4%だった.【考察】 本研究では、隣接・併設されているか否かに関わらず、どの支援においても「教員に施設に来てもらいPT場面を見てもらう」という教員が施設に来る方法が最も多かった.一方、隣接・併設されている特別支援学校との連携方法は「施設でのカンファレンスへ教員も出席している」など多様性があったが、隣接・併設されていない学校との連携方法は上記の方法以外では少なかった.また連携感はどの支援においても「隣接・併設されている特別支援学校」の方が高く、また支援内容によっても違いが見られた.今後は支援内容別に適切な支援方法を検討していく必要がある.【理学療法学研究としての意義】 療育に携わるPTと特別支援学校との連携方法を支援内容別に把握することは、理学療法分野と教育分野が連携をとる際の一助とすることができると考える.
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© 2013 日本理学療法士協会
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