理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: G-O-04
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一般口述発表
当院における卒後教育制度の評価
~第三者評価指標を用いて~
小島 伸枝高村 雅二木村 憲仁
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抄録
【はじめに、目的】理学療法士(以下,PT)の卒後教育制度は,協会主導にて新人教育プログラム・専門・認定療法士プログラムがある.医師はその歴史背景により卒後の臨床研修が制度化されているが,PTにおいては制度化されておらず,現在は実地経験を深める卒後教育の大部分は各施設に委ねられているのが実情と考える.医師とPTでは卒後免許取得可能であること,学生は法的に医療行為を行えないため卒後時点での実地経験は極めて乏しい点が共通しているといえる.よって当院リハビリテーション部(以下,リハ部)においても平成22年より卒後教育制度を独自に作成し段階的・試験的に実施し,平成23年4月より教育stepと名称を変え本格導入した.作成指針は1.習得技能に応じた診療の実施(役割分担),2.1による組織的な質の保障,3.具体的到達目標の提示による標準的かつ効果的教育(臨床研修),4.これらによる指導者および研修者の負担軽減とし,新人教育のみならず継続的卒後教育に取り組んでいる.そこで今回我々は,当院における教育stepを医師の臨床研修制度における第三者評価指標を用いて自己評価し,その再考をすることを目的とした.【方法】1.教育step:理学療法士の日常業務を,診療・運営と教育の2つのカテゴリーに分類.各カテゴリーに含まれる具体的な業務を,習得技能あるいは解決すべき課題の難易度別に8つの段階に区分した.8つのstepに段階付けされた2つのカテゴリーの各業務を独立して実施するのに必要と思われる技能や経験を,更に11の領域別に定義した〔A:基礎技能4領域(接遇,感染対策,医療安全,法律),B:専門技能3領域(心身機能,活動,臨床判断),C:業務実績4領域(業務,学術,指導,部会運営)〕.8step11領域全てに具体的到達点を示し,1.達成に必要な研修および教材,2.達成度の客観的査定方法を準備した.研修会,教材,査定方法などの準備・運営は,リハビリテーション部が設置した各専門部会により執り行われている.部会の検討内容は全て公開され,研修スケジュールと到達段階も個人および各科に通達されている.査定の方法や難易度等については,全部会とリハ部合同で月に一度定例で吟味することとした.2.自己評価方法:教育stepの評価として,医師における臨床研修制度の評価であるNPO法人卒後臨床研修評価機構の作成した【改訂版】臨床研修評価用紙自己評価票を使用した.この評価票は8つの大項目に基づき27の中項目,88の小項目について評価を行う.中項目は「適切」「要検討」「要改善」で判定し,小項目は「適切に行われている/適切な形で存在する/積極的に行われている」「中間」「適切さに欠ける/存在しない/行われていない」で判定する.用紙の使用については電子メールにて使用許可を得た.全対象者へは医師向けの内容であることから,「研修医をセラピストと置き換える」という説明を加え配布した.3.対象:リハ部管理者,ならびに各科管理・監督者,リハ部専門部会長計11名.尚,管理者が専門部会長を兼務する場合は,管理者として参加した.【倫理的配慮、説明と同意】全対象者には個人が特定されないこと,回答内容について個人の不利益が生じないことを説明し同意を得た.【結果】全対象者から回答を得た.中項目「セラピストを評価するシステムが確立され,実施」は9割の対象が,「医療に関する安全管理体制の確保」「研修プログラムが適切に策定」は8割の対象が,「研修管理委員会が確立」「評価結果に応じて対応が適切」「指導体制・診療上の責任者が明示」は7割の対象が「適切」と評価した.小項目「安全管理部門がある」「「施設関連感染対策が行われている」「理念・基本方針に沿った研修プログラムである」は全員が「適切に行われている」と評価した.「インフォームドコンセントが身につけられる」は6割の対象が「中間」と評価したが,これ以外の中・小項目の評価はばらついた.【考察】第三者評価指標に基づき当院の教育stepの自己評価を実施した.結果,セラピスト評価と体制,プログラム策定については概ね適切と評価され,一定の基準に達していると考えられた.他の項目については回答がばらついたが,共通して地域周知,設備の整備が改善必要な項目であることが浮き彫りとなった.本結果を基に今後も教育stepを発展させることに加え,臨床指標を用い診療の質が担保できているかどうかについても検討することが必要と考える. 【理学療法学研究としての意義】本研究では第三者評価を用い当院の卒後教育制度について自己評価を実施した.今後は第三者評価を用い,一定の基準を満たした制度としていくことが重要である.
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© 2013 日本理学療法士協会
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