理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: E-O-07
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一般口述発表
当回復期リハビリテーション病棟の理学療法士が行う早出業務の現状と課題
-1分間タイムスタディによる実態調査から(第1報)-
永田 春輔木須 達哉西川 陽一朗平敷 好人百田 貴史古川 慶彦中島 龍星井手 伸二
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抄録
【はじめに】当院理学療法士(以下、PT)は、「日勤帯以外の生活行為の状況を知ることで、患者、家族にすべき専門的な技術提供と実際の生活状況の整合化を図る。また、生活行為そのものを支える看護師(以下、Ns)・介護福祉士(以下、CW)の業務に直接触れることでチームアプローチや専門技術の質の向上に結び付ける。」ことを目的に、早出・遅出業務(以下、早出・遅出)を行ってきた。本研究は、その早出・遅出をよりPTとしての専門的視点から対応することを目的に、今回は、早出に着目し、タイムスタディによる実態調査を行ったので報告する。【早出遅出の体制】当院は三つの回復期リハビリテーション病棟(一病棟47~48床)で運営している。対象疾患は8割以上が脳血管疾患であり、入院期間は平均97日である。PTは45名が各病棟に配属されている(病棟専従体制)。勤務体制は日勤(8時30分~17時)、早出(7時~15時30分)、遅出(11時~19時30分)の三つの勤務帯からなり、早出・遅出時間帯の出勤者数は各病棟でPT1名、OT1名とNs2~3名、CW2~3名である。【方法】対象をPT、調査期間を2012年9月1日~9月30日の30日間、調査時間帯を早出の7時~8時30分(90分)として 1分間毎のタイムスタディを実施した。タイムスタディの方法はPTの実施状況と対応理由に分けて専用の記録用紙に記載した。実施状況はADL別に整容・更衣・排泄・食事・起居・移乗・移動・その他の8項目とした。対応理由は計画的な対応(以下、計画)・偶然通りかかって対応(以下、偶然)・患者からの依頼(以下、患者依頼)・NsやCWからの依頼(以下、Ns・CW依頼)の4項目とした。【倫理的配慮】本研究はヘルシンキ宣言を遵守し当院倫理委員会の承認を得て行った。【結果】1.全体結果:早出PT87名(回収率97%)から有効データを得た。2.PTの実施(ADLへの対応)状況1)全体として:移動27%、その他24%、排泄18%、整容12%、移乗7%の順で高く対応していた。2)時間帯別の実施状況:7時~7時30分は排泄26%・移動18%・整容17%・その他13%、7時30分~8時は移動31%・その他21%・排泄19%・整容9%、8時~8時30分はその他38%・移動31%・整容11%・排泄7%の順で高く、時間帯によって対応するADL項目や順位に違いがみられた。3.対応理由1)全体として:Ns・CW依頼34%、計画25%、偶然24%、患者依頼17%であった。2)時間帯別対応理由: 7時~7時30分がNs・CW依頼39%、計画22%、偶然22%、患者依頼17%であり、7時30分~8時ではNs・CW依頼28%、偶然28%、計画25%、患者依頼19%であった。次の8時~8時30分ではNs・CW依頼33%、計画29%、偶然22%、患者依頼16%であった。いづれの時間帯においてもNs・CW依頼の割合が高かった。3)ADL別の対応理由:移動は計画37%、患者依頼25%、偶然24%、Ns・CW依頼14%であり、排泄は患者依頼32%、Ns・CW依頼31%、偶然23%、計画14%であった。整容はNs・CW依頼34%、偶然29%、計画28%、患者依頼9%であった。さらに、その他はNs・CW依頼60%、計画21%、偶然13%、患者依頼6%であった。【考察】今回の結果では、患者の朝の起床(離床)から食事、食後の整容までといった、病棟生活の流れに合わせて対応していることが推測された。中でも、PTは排泄、整容、食事という行為に伴う移動に対応している実態がうかがえた。このことは、NsやCWからの依頼内容とPTの計画的な対応が、ある程度生活の流れに沿った対応ができている段階と考えている。次の段階は、行為別・時間帯別に移動について分析を加えることが必要と考える。【理学療法学研究としての意義】移動に関する具体的評価(歩容・スピード・安定性・耐久性)をもとに、適切な移動方法を設定することにつながるものと考える。
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© 2013 日本理学療法士協会
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