理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: E-P-12
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ポスター発表
生活期における脳卒中片麻痺者の運動および生活活動に関する実態調査
行動変容法を用いた考察
鬼頭 智宏
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キーワード: 脳卒中, 行動変容法, 生活期
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抄録
【はじめに、目的】脳卒中を発症した者(以下,脳卒中片麻痺者)にとって身体機能の維持・向上のためには運動や生活活動(身体活動)が必要であり,定期的に運動や生活活動を行うことで疾病の再発防止にも繋がる.これまで健常者に対して日常生活での運動や生活活動に関する調査は行われているものの,脳卒中片麻痺者を対象とした同様の調査はほとんど行われていない.そこで生活期における脳卒中片麻痺者に運動および生活活動に関する実態調査を行う.また運動を定期的に行っている者に関して,その要因について行動変容法を用いて分析を行う.特に運動の定着が進んでいく過程でどのような特徴がみられるのかについて,これまで禁煙療法などの分野で成果を挙げているTranstheoretical Modelの構成要素である変化プロセス理論を用いて分析を行う.【方法】本研究では民間病院にて外来リハビリテーション・通所リハビリテーションを利用している,退院後6ヶ月以上を経過した脳卒中片麻痺者69名を対象とした.医療診療録をもとに対象者の基本情報を調査した.また身体機能として麻痺の重症度を示すBrunnstrom Recovery Stage(以下,BRS),身体能力として最大10m歩行速度を測定した.第1次調査では対象者に対するインタビューを半構造化面接にて行った.聴取した内容は定期的な運動の実施状況,運動内容,運動に関する心理的な要因について,また日常生活での生活活動(役割や趣味など),生活範囲,生活環境についてである.第2次調査では,まず第1次調査をもとに定期的な運動実施群および非実施群に分類した.定期的な運動実施群の判断基準は「1日30分以上の運動を週2日以上実施し,それが6ヶ月以上継続している」を満たしている場合とした.詳しい運動方法・運動強度については判断基準には反映しない.そして各群において特徴的な傾向を示した者を2名ずつ抽出し,その運動および生活活動についてのインタビューを半構造化面接にて行った.インタビュー内容は対象者の承諾を得て,ボイスレコーダーに録音した.聴取した内容は脳卒中発症前の生活について,脳卒中という病気に対するイメージについて,運動および生活活動の詳細についてである.統計解析として,各パラメーターの平均値を算出し,平均値を境界にして各パラメーターを2群に分類した.そして従属変数に運動習慣,下肢BRS,最大10m歩行速度,運動時間,運動頻度,運動強度,生活範囲を設定し,独立変数に各パラメーターを設定し,クロス集計を行い,χ2検定を用いて有意差を求めた.また比率変数(年齢,最大10m歩行速度,運動時間,運動頻度,Mets数)については正規性の有無によってt検定またはMann-WhitneyU検定を用いて,運動習慣「有」~「不十分」群と運動習慣「無」群の比較を行った.統計ソフトはIBM SPSS Statistics 19を用い,統計学的有意水準は5%未満とした. 【倫理的配慮、説明と同意】調査対象者に口頭および書面にて調査内容を説明し,署名による同意を得た.また得られたデータについては本研究以外には用いず,情報は厳重に管理することを伝えた.【結果】本研究の対象者は平均年齢71.4±9.4歳であり,性別では男性45名(65.2%)・女性24名(34.8%)であった.下肢BRSでは著明な麻痺無しが4名,6が20名,5が9名,4が9名,3が26名,2が1名であった.最大10m歩行速度では平均49.6±25.7m/分(最大値117.6 m/分~最小値8.0 m/分)であった.運動習慣の分類では「有」群が21名(30.4%),「不十分」群が26名(37.7%),「無」群が22名(31.9%)であった.定期的な運動実施群は21名(30.4%),「不十分」と「無」を合わせた定期的な運動非実施群は48名(69.6%)であった.定期的な運動実施群と非実施群の比較では,性別において有意差を認めた.【考察】健常者を対象にした研究と同様に,本研究においても男性の方が定期的な運動を行っている傾向が認められた.また女性においては運動よりも家事などの生活活動によって活動量を高めている傾向が認められた.対象者の状況に合わせて運動や生活活動を促していくことの有効性が示唆された.【理学療法学研究としての意義】主に健常者を対象にして調査が行われてきた定期的な運動および生活活動に関する実態調査について,脳卒中片麻痺者を対象とした実態調査を行った.また運動や生活活動を定着させていくためには,対象者の状況に合わせたアプローチが必要ということが示唆された.
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© 2013 日本理学療法士協会
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