日本口蓋裂学会雑誌
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原著
国立成育医療研究センターにおける咽頭弁術後2~3年時の言語成績
彦坂 信金子 剛梶田 大樹加藤 達也佐藤 裕子今井 裕弥子栁澤 瞳
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2015 年 40 巻 3 号 p. 213-218

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抄録
【目的】国立成育医療研究センターで鼻咽腔閉鎖機能不全に対して咽頭弁形成術を施行した症例の言語評価を行った。
【対象と方法】2002年3月1日から2012年12月31日までに咽頭弁形成術を施行した67例のうち,当院での術後2~3年時点での言語評価が可能であった28例を対象とした。咽頭弁形成術はHogan法により施行した。周術期の言語訓練および評価は当センターの言語聴覚士3名により行われた。鼻咽腔閉鎖機能を良好・ごく軽度不全・軽度不全・不全の4段階で評価し,更に鼻咽腔閉鎖機能と関連の大きな異常構音として,声門破裂音,咽頭破裂音,咽頭破擦音,咽頭摩擦音を評価対象とした。
【結果】対象28例の手術時年齢中央値は,6歳1ヶ月 (3歳0ヶ月~14歳10ヶ月) であった。原因疾患は,口蓋裂術後10例,粘膜下口蓋裂9例,先天性鼻咽腔閉鎖不全症9例であった。他の先天異常の合併を10例に認めた。鼻咽腔閉鎖機能は,術前では軽度不全15例,不全13例であり,術後では良好8例,ごく軽度不全17例,軽度不全3例であり,全例で改善を認めた。異常構音を認める症例は,術前12例から術後は7例に減少した。22q11.2欠失症候群の5例では,術前・術後2~3年時とも鼻咽腔閉鎖機能が比較的低いが,術後4年以上を経て改善が見られた。知的障害 (IQ・DQ70以下) を伴う9例では,術前の鼻咽腔閉鎖機能および術後2~3年時の改善度が有意に低かった。
【考察】咽頭弁形成術と術後の言語訓練は,鼻咽腔閉鎖機能とこれに関連する異常構音の改善に有用であると考えられた。22q11.2欠失症候群の場合,鼻咽腔閉鎖機能の改善度は術後2~3年時には低いが,長期の経過で改善がみられる場合があり,長期間の言語訓練が重要と考えらえた。知的障害を伴う場合,鼻咽腔閉鎖機能の改善度は低く,術後の言語訓練によっても正しい言語機能の習得が困難なことが示唆された。
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© 2015 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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