日本口蓋裂学会雑誌
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統計
東北大学病院顎口腔機能治療部における口唇裂・口蓋裂患者の臨床統計調査
西村 壽晃幸地 省子五十嵐 薫
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2016 年 41 巻 1 号 p. 31-38

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抄録
1995年から2014年の20年間に東北大学病院顎口腔機能治療部を受診した口唇裂・口蓋裂の患者の実態を明らかにする事を目的に臨床統計調査を行い,以下の結果を得た。
1.登録された口唇裂・口蓋裂は1,428例であった。男女比は1:0.93であった。
2.来院患者の居住地域は仙台市と宮城県が平均で65.4%を占めており,その比率は増加傾向にあった。
3.裂型分布は口唇口蓋裂40.0%,口唇顎裂30.0%,口蓋裂30.0%であった。口唇口蓋裂は男子に多く(P<0.01)口蓋裂は女子に多かった(P<0.01)。
4.初診時年齢は0歳児が最も多く,平均年齢は3歳11ヶ月であった。
5.一次症例において新患登録された口唇裂・口蓋裂は897名で男子475名,女子422名(男女比1:0.89)であった。居住地域は仙台市と宮城県が平均で74.2%を占めていた。総患者に対する結果と同様口唇口蓋裂は男子に多く(P<0.01),口蓋裂は女子に多かった(P<0.01)。一次症例における初診時の平均年齢は6ヶ月であった。
6.897例中182例に他の先天異常が合併しており,全体の20.3%であった。
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© 2016 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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