日本口蓋裂学会雑誌
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van der Woude syndromeの1例とその亜型と考えられるconical elevationの3例
池田 至優小松 世潮伊藤 静代玄番 涼一砂川 元宮田 研稲垣 宏之高橋 孝二園田 充伊藤 恭子平川 泉山本 悦秀小浜 源郁
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1985 年 10 巻 1 号 p. 67-74

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抄録

van der Woude syndromeの1例と家族的にみられたconical elevationの3例について報告し、さらに当科を受診した口蓋裂単独患者40例についてconical elevationの有無を調査した.van der Woude syndromeの症例ではsingl econical elevationと片側性先天性下口唇痩が左側口唇口蓋裂に合併していた.conical elevationが認められた症例の家族歴から常染色体優性遺伝が強く疑われた.当科を受診した口蓋裂単独患者40例中,明確なconical elevation合併例は15例で全体の37.5%を占めていた.
合併例のうち72.7%に部分無歯症が認められた.検索の結果から,conical elevationは先天性下口唇痩と同様に口蓋裂と緊密な関係が存在すると考えられ,比較的診断の遅れがちな粘膜下口蓋裂などの発見の一助となることが示唆された.

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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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