臨床神経学
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症例報告
Octreotideシンチグラフィにより原因腫瘍を発見しえた腫瘍性骨軟化症性ミオパチーの1例
高橋 真融 衆太太田 浄文泉山 肇横田 隆徳水澤 英洋
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2008 年 48 巻 2 号 p. 120-124

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抄録

症例は31歳の女性である.緩徐進行性の近位筋優位の筋力低下ならびに多発骨折をみとめ,血液・尿検査の結果などより腫瘍性骨軟化症ミオパチーをうたがった.各種画像検査などをおこなうも原因腫瘍の発見にいたらなかったが,Indium-111 octreotideシンチグラフィを施行し原因腫瘍を発見した.腫瘍摘出をおこない疼痛,筋力低下はすみやかに改善した.腫瘍性骨軟化症の原因腫瘍は良性で小さく,成長の遅い間葉系細胞からなる腫瘍が多く,一般的な画像検査では検索が困難となる症例が多い.本症例はIndium-111 octreotideシンチグラフィにて腫瘍性骨軟化症性ミオパチーの原因腫瘍を発見しえた本邦初の報告である.

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© 2008 日本神経学会
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