臨床神経学
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短報
Malignant catatoniaに対しオランザピンが有効であった急性脳炎の1例
鈴木 勇人福島 隆男牧野 邦比古桑原 武夫
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2010 年 50 巻 5 号 p. 329-331

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抄録

症例は平易な漢字の想起困難,感情の不安定さで発症した29歳の男性である.頭部MRIで異常をみとめなかったが,髄液,脳波所見から急性脳炎と診断した.第4病日より無言・無動,catalepsyなどのcatatoniaが出現し,第9病日より高熱,筋固縮,自律神経症状,横紋筋融解症による高CK血症(最高3,038IU/l )などのmalignant catatoniaを呈した.抗生物質,抗ウイルス剤,ステロイドパルス療法,ジアゼパム,ダントロレンナトリウムは無効だったが,オランザピンでmalignant catatoniaは改善した.

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© 2010 日本神経学会
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