抄録
把持動作実行時の視覚的注意の空間特性について検討した.実験環境は実空間であり,把持動作の運動方向は「近→遠」,「遠→近」の奥行き2方向であった.立方体が奥行き方向に3行2列に配置され,各立方体の直下及び中央に,緑か赤に点灯可能な2つのLEDが置かれた.探索ターゲットが2つのLEDの点灯パタンで定義される,結合探索課題を行った.把持ターゲットは探索ターゲットの直近の立方体であった.把持動作実行の有無が探索パフォーマンスに及ぼす影響を検討するため,把持動作を行わない統制実験も行った.把持動作の運動方向と視覚的注意の移動方向が一致する場合に,不一致である場合よりも探索時間が短縮するという仮説を立てた.両実験,両運動方向条件において,中央行に配置されたLEDの探索が早いという傾向が見られた.