日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p3-023
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ポスター発表
いつもの場面で勘違いは起きる
背景文脈の一致が虚再認に与える影響
*山田 恭子鍋田 智広緒本 翔平中條 和光
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抄録

環境的文脈依存効果は,学習時とテスト時の環境的文脈が一致すると,不一致の場合と比較して記憶成績がよくなる現象である。この効果は,学習時に学習項目と環境的文脈が結びつくことにより生じると考えられている。本研究では,学習時に呈示されない単語の再認である虚再認においても環境的文脈依存効果が認められるかどうかを調べた。実験では,被験者は特定の単語(太陽・ルアー語)の連想語からなる単語リスト(光,月など)を背景文脈とともに意図的に記銘した。1日の遅延後,学習時と同じ背景文脈が呈示される同文脈条件もしくは異なる背景文脈が呈示される異文脈条件において再認課題を実施した。その結果,同文脈条件において異文脈条件よりもターゲットの正再認率とルアー語に対する虚再認率が高かった。このことは,たとえ学習時に呈示されなくても,学習時に活性値の上昇した項目は,環境的文脈と連合を形成することを示唆する。

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© 2007 日本認知心理学会
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