日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: o2A-4
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口頭発表
遅延聴覚フィードバックを用いた発話の自己モニタリング機構の検討
*田口 明裕笹岡 貴史乾 敏郎
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抄録

聴覚フィードバックによる発話の自己モニタリングは音声生成において重要な役割を担っており,フィードバックを人工的に遅らせて聴かせる遅延聴覚フィードバック(DAF)条件下では吃音症状が発生することが知られる.本研究では,発話の自己モニタリング機構の特性を明らかにする目的で,遅延200msのDAF条件下で文章音読課題を行い,発話誤り箇所を解析した.この時,漏入する自己音声のマスクのためにフィードバックにノイズを加えるとともに,骨伝導の影響も最小限に抑える工夫を行った.かな表記された日本語文を視覚提示し,移動するマーカーに沿って一定の速さで音読させた.マーカー速度は,遅延時間がちょうど1音韻分になるよう統制した.吃が生じた箇所を解析した結果,隣り合う音韻の聴覚空間上の距離と吃発生率に負の相関が見られた.本結果を元にして,発話の自己モニタリング機構について考察する.

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© 2007 日本認知心理学会
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