日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p3-042
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ポスター発表
ビジュアルシーン内の対象物の色の記憶に対する精度
*笠井  有利子
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抄録

我々が日常目にする情景(ビジュアルシーン)には様々な可変情報-明るさや色合い、シーン内に含まれる物体など-が含まれるが、これらは記憶表象でどのように表現されているのだろうか。本研究ではシーン内に含まれる対象物の色に対する記憶の精度を調査した。刺激は複数の対象物を含むCG室内空間の画像40枚で、各室内に表面色が変化するターゲット(壁や家具)が1つ設定されていた。変化はターゲットの元の色を基準とした飽和度および色相の変化であった。実験参加者は、学習画像を記憶した直後に変化画像を呈示され、ターゲットの色変化を検出する課題を行った。その結果、元の飽和度が高く面積が大きい対象物の変化発見成績が最も高かった。ただしターゲットが壁面の場合の変化発見率は低かった。笠井・川端(2006)における照明色(室内全体の色調)の変化発見成績と比較して、対象物の色変化はより微妙で定量的な変化を検知できるようであった。

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© 2007 日本認知心理学会
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