日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p1-017
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ポスター発表
校正読みの効率を規定する要因
*浅野 倫子横澤 一彦
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抄録

誤字の有無を確かめながらの読み、すなわち校正読みにおける誤字検出の難易度は、文章の読みの処理メカニズムを反映していると考えられる。読みは様々な要因が複雑に影響した認知過程であり、そのメカニズムを解明するためには、複合的に影響する複数の要因を調べる必要がある。本研究では、誤字検出を実験課題とし、校正読みの認知過程を多面的に調べた。各誤字は、正字との音韻、意味的類似性、文章中での位置、誤字検出に必要な文章の処理範囲などの要因を内包しており、重回帰分析によって各要因の寄与度を検討した。校正の非専門家を対象とした実験の結果、誤字検出の難易には主に誤字検出に必要な文章の処理範囲が大きく影響することが示された。また専門家を被験者として同様の課題を行った結果、誤字の持つ要因によらず専門家は非専門家よりも誤字検出率が高く、特に文章の処理範囲についての特性が異なる可能性が示唆された。

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© 2007 日本認知心理学会
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