日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p1-018
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ポスター発表
空間的な状況モデルの構成に及ぼす文章呈示モダリティの影響
*國田 祥子藤木 大介西村 裕之中條 和光
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抄録

文章で対象の位置関係を述べられた場合,人は心内に空間的な位置関係を視空間的に表象する状況モデルを構成すると考えられている。本研究では状況モデルの構成に文章の呈示モダリティが及ぼす影響について調べた。文章が視覚呈示されると,作動記憶において視空間的な状況モデルの更新と文章の処理との競合が生じ,状況モデルの構成が阻害される可能性がある。この点について調べるため,空間的な位置関係を述べた文章を視覚,または聴覚で呈示し,その後に記憶テストを行ってその成績を比較した。実験の結果,文章を聴覚呈示した場合には,状況モデルの更新の要・不要に関わらず,記憶成績は変化しなかった。それに対し,文章を視覚呈示した場合,状況モデルの更新が必要な条件で記憶成績が低下していた。これらの結果から,文章を視覚呈示すると状況モデルの更新と文章の処理が競合し,状況モデルの構成が阻害されることが明らかとなった。

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© 2007 日本認知心理学会
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