抄録
本研究では、対象者に対し知覚―運動課題を実施し、その後の航空機操縦教育における成績との関連について分析を行った。知覚―運動課題として、A.追跡トラッキングと計算の二重課題、B.両手協応による追跡トラッキング課題、C.補償トラッキングと計算の二重課題、D.両手による追跡トラッキングの二重課題を行った。対象者は、航空機操縦教育に入る前の176名であった。各課題のRMS誤差、誤差変動、正答率(A、Cのみ)を説明変数とし、プロペラ機からジェット機までの操縦教育における離着陸空中操作及び編隊飛行を基準変数として重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。その結果、有意であった説明変数は、BのRMS誤差と誤差変動、DのRMS誤差(両手とも)であった。