抄録
本邦では苧阪(2002)による日本語リーディングスパン・テスト(Japanese version of the reading span test,以下Jrspan)は,もっとも利用されているワーキングメモリ(WM)スパン課題の一つである。Jrspanは,実施する手続き上,刺激のコントロールやデータの収集に実験者のコントロールに負うところが多い。そこで,本研究では実験者による介入を極力少なくし,実験参加者によるマウス操作だけで実施可能で,自動的に得点を集計する機能を有する自動化された日本語リーディングスパン・テスト(Automated version of the Japanese reading span test,以下AJrspan)をUnsworth et al.(2005)による自動化WMスパン課題をもとに開発し,その信頼性を検討した。AJrspanを237名の実験参加者に実施し,内部一貫法による信頼性係数と再テスト法による信頼性係数を算出した結果,Jrspanと同様の信頼性が得られた。また,Unsworth et al.(2005)による自動化WMスパン課題とも有意な高い相関があった。このような結果から,AJrspanの信頼性が示唆された。