日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第9回大会
セッションID: P2-15
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ポスター発表2(言語・推論・意思決定・社会・コミュニケーション)
避難口誘導灯に矢印を付加することが経路探索に与える効果
*田中 孝治加藤 隆
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抄録
現在の避難口誘導灯は,通過後の状況を示す役割は持ち合わせていない。田中・加藤(2010)は,誘導灯に非常口通過後の避難方向を矢印として付加することが,通過後の避難経路を伝える効果があることを示した。しかし,矢印の示す避難方向を正しく選択した実験参加者のすべてが避難課題終了後の再認記憶に成功したわけではなかった。本研究では,田中・加藤の誘導灯デザインを使用して,誘導灯を見てから選択を迫られるまでの時間が延びても,適切な避難方向を選択できるかについて検討を加えた。その結果,矢印を付加したデザインにおいては避難方向を正しく選択した者が多く避難方向を示す効果が見られた。誘導灯のデザインを見てから選択を迫られるまでの時間が延びたにもかかわらず同様の効果が得られたことから,誘導灯に非常口通過後の避難方向を示す矢印を付加することが,通過後の避難経路を伝える効果を持つことをさらに支持する結果といえる。
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© 2011 日本認知心理学会
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