日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P5-3
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ポスター発表5(知覚・感性)
長期的学習による刺激呈示傾向が単純接触効果に及ぼす影響
*石川 晋松田 憲楠見 孝
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抄録
本研究では,学習を1週間ごとに計3回行った後,5分後もしくは1週間後に評定を実施した。刺激の呈示傾向として,学習毎ごとに呈示回数を操作し,上昇,一定,減少の3条件を設定し,その呈示傾向が単純接触効果にどのような影響を及ぼすのかを検討した。実験の結果,5分後評定の好意度は直前の学習で多く接触した条件で上昇したことから,評定直前の呈示回数が好意度に影響していることが示唆された。また,1週間後評定において好意度,親近性,懐かしさの上昇が確認された。過去の反復接触と時間経過が,刺激へのノスタルジア感情を引き起こし,それによって刺激への好意度も高まることから (Kusumi et al., 2010),本研究においても遅延により刺激への懐かしさが高まったことで,好意度や親近性が上昇したと考えられた。さらに,刺激の総呈示回数を増やし,各学習における条件間の呈示回数の幅を広げて呈示した場合,学習初期から刺激を多く呈示することで,好意度が高くなることが示された。
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© 2012 日本認知心理学会
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