抄録
文字に色を感じる色字共感覚が知られている.メカニズムはいくつかの仮説があるものの,十分な解明がなされていない.色字共感覚研究は,世界中で盛んに行われているが,日本語文字に関する研究はほとんど行われていない.本研究では,色字共感覚者と非共感覚者に対してfMRIを用い,英数字及び日本語文字の視覚刺激呈示時の脳活動計測を行い,集団解析による比較を行った.その結果,日本語文字呈示時には,非共感覚者にも色知覚野での活動が見られた.日本語文字を呈示することで,非共感覚者の脳内においても共感覚的処理が生じている可能性が示された.そこで,色字共感覚者と非共感覚者の切り分けを客観的に行うことができる指標を作成する.具体的には,実験参加者に有色の数字とひらがなを呈示し,各文字と色の組み合わせに対する情動に関して評価してもらう.再度評価をしてもらい,その際の各文字と色に対する評価の一致度について分析を行う.