日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: O5-5
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口頭発表5(記憶②)
連想記憶に基づく変化同定課題遂行に及ぼす想起方向の影響
*高濱 祥子齋木 潤
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抄録
物体が眼の前から消えた時、我々は、短期記憶として脳内に保持された物体の特徴に関する記憶表象と、眼前の物体の知覚表象を照合して物体の同一性を判断する。また我々は、眼の前に存在する物体を観察しながら別の物体を連想し、連想した物体の記憶表象と、眼の前の物体の知覚表象の関係性を判断することもある。本研究では、長期記憶に貯蔵された連想記憶に基づく変化同定課題を用いて、連想記憶の結び付け情報と関係性結び付け情報の相互作用を検討した。その結果、連想記憶の結び付け情報は頑健である一方、関係性結び付け情報は脆弱であることが示唆された。さらに、連想記憶の結び付け情報に基づく変化同定課題においてのみ、遅延期間中の保持情報による正答率の非対称性がみられた。従って、連想記憶の結び付けにおける想起方向の特殊性が示唆される。
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© 2012 日本認知心理学会
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