抄録
本研究の目的は、過去に出会った教師の名前を想起しやすくする要因を調査することであった。80人の学部学生が、小学校、中学校、高校で出会った5人の教師の名前を、頭に浮かんだ順番に、想起するように求められた。これらの想起された教師やその名前は、熟知度、感情喚起度、親しみ度、好意度、印象度、連想度、最近の想起頻度など、様々な変数において評定された。その結果、教師の名前の想起しやすさは、教師に対する熟知度、感情喚起度、印象度、連想度、教師の想起頻度、名前の接触頻度と有意な正の相関が見られた。しかしながら、教師の名前(名字)自体に対する指標とは有意な相関が見られなかった。本研究で得られた知見と先行研究の知見の類似点と相違点が議論された。