抄録
意味的関連性を持たせた学習刺激を提示し,再認実験を行った.学習時と再認時が同じ感覚様相での先行研究において新項目に引き起こされた正答率と確信度評定の乖離が,異なる感覚様相でも起こるのかを調べた.実験参加者 (N = 83) は,カセットデッキから聴覚提示される24単語を学習した.学習セットには意味的関連性が持たせてあり,単語提示間隔は,単語の朗読開始から,次の単語の朗読開始までを1.6秒に制御した.5分間の保持期間後に48単語 (旧項目24単語,新項目24単語) の視覚提示による再認判断と確信度評定を行わせた.刺激提示と再認判断,確信度評定には冊子を用いた.その結果,学習セットと意味的関連性が高い新項目について,正答率と確信度評定の乖離が生じた。その度合いは感覚様相が同じ場合を上回っていた.