日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第11回大会
セッションID: O4-3
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口頭4 日本語セッション(知覚・感性)
物体固有軸の曖昧性が心的回転に与える影響
*知念 浩司朝倉 暢彦乾 敏郎笹岡 貴史
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抄録

人は物体認識の際に,刺激の固有軸を検出・使用していることが知られている.また,回転変換の軸が曖昧な刺激対に対する心的回転課題においても,物体固有軸が重要であることが示されている.以上のことより,心的回転課題においても刺激の物体固有軸が重要であることが予想される.本研究では,刺激の物体固有軸の曖昧性が心的回転課題の各処理過程にどのような影響を与えるのかを報告する.刺激として,物体固有軸の曖昧性が高い刺激と低い刺激を作成・使用し,刺激対を同時提示する心的回転課題を行った.その結果,固有軸の曖昧性の高低によりイメージの回転速度に有意な差はみられなかったが,反応時間としては固有軸の曖昧性が高い刺激の方が短かった.この結果は,イメージの回転処理には固有軸の曖昧性は大きな影響を与えないが,方位差の決定処理では刺激の物体固有軸が刺激対の方位差を決定する手がかりとして使用されていることを示唆している.

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© 2013 日本認知心理学会
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