抄録
本研究の目的は日常場面における過去事象の想起,未来事象の想像,予定の想起が有する方向づけ機能を規定する要因を明らかにすることであった。191名の大学生に対し,日常場面においてふだんよく想起・思考する過去事象,未来事象,予定を報告することを求め,さらにそれらの想起頻度や方向づけ機能の高さ,感情価や感情強度などを評定するよう求めた。調査の結果,意図的想起頻度や感情強度が指示的機能の強さの規定因として有意なものであることが示された。本研究の結果と先行研究の知見に基づき,日常場面における過去事象や未来事象の想起・思考が有する方向づけ機能の規定因につき考察を行った。