オレオサイエンス
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学会賞受賞論文
多成分系の相挙動とミセル・マイクロエマルション・リオトロピック液晶の構造制御に関する研究
荒牧 賢治
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2009 年 9 巻 12 号 p. 553-559

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抄録
界面活性剤分子集合体とそれらを形成する水溶液系および水-油系の相挙動について, とくに混合界面活性剤系と塩やアルコールなどの添加物が入った複雑な系における個別因子および複合効果について研究を行ってきた。本論文においてはそれらの研究の中から3つのトピックについて述べている。最初のトピックは水溶性アルコールが及ぼす非イオン界面活性剤ミセルの形成への影響についてであり, グリセリンがミセル成長を促し, プロピレングリコールがミセルを崩壊させることについて述べた。2番目のトピックは小角X線散乱測定と分子集合体の構造モデルを用いて, パリセード層中へ可溶化された油の量を定量化する試みについて述べた。最後のトピックは2種の界面活性剤混合系において, 一方の界面活性剤が他方に比べて分子量に大きく差があるときに, 2種のラメラ液晶およびミセルが共存する現象に関する研究である。
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© 2009 公益社団法人 日本油化学会
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