日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: O3-1-3
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口頭発表3-1 日本語セッション(注意)
物体構造による注意誘導における性差
*河西 哲子田中 翔山田 優士
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キーワード: 性差, 空間的注意, 物体
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抄録

本研究は物体または知覚的なまとまりを単位として選択する注意機能の性差について,事象関連電位(ERP)を指標として検討した。男女各12名の日本人大学生・大学院生に,頭皮上からERPを測定しながら,左右の視野に同時提示された文字のうち決められた視野の低頻度標的を検出する課題を行った。左右の文字を大きな楕円で囲んだ共通条件と,この楕円図形を分割し左右入れ替えた非共通条件があった。結果として行動反応に統計的に有意な性差はなかった。しかしERPの空間的注意効果(注意側の対側半球と同側半球の差)は女性において,P1立ち上がり潜時区間(刺激提示後70-110 ms)で非共通条件が共通条件に比べてより陰性に,N1立ち上がり区間(130-160 ms)ではより陽性になった。これらの結果は,女性では知覚処理の早い段階で課題に関連しない物体構造が注意を誘導することを示唆する。

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© 2014 日本認知心理学会
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