中学生を対象とする質問紙調査により,学ぶ意欲の傾向(動機づけの質),学び方の傾向(学習方略),学習に関する自己効力感,および学習を支える諸要因を測定した。その結果,学習を支える「持続性」と内容関与型動機との間には,中程度以上の正の相関が見いだされた。一方,内容分離型動機との間には負の相関あるいは弱い正の相関が見いだされた。学習を支える「感受性」と内容関与型動機との間には,弱い正の相関が認められた。これらの結果から,学習内容の充実に向かう意欲を支える要因として,目標とする事象に対して粘り強く困難を乗り越えて取り組む「持続性」と,身近な人との触れ合いや読書や芸術鑑賞などをとおして育成される「感受性」がともに重要であることが明らかとなった。