日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P1-23
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ポスターセッション1
凶器は視覚的注意の解放を阻害するのか?
*丹藤 克也
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抄録
凶器注目効果とは,凶器を所持した犯人を目撃した際,目撃者の注意が凶器に向けられ,周辺情報の記憶成績が低下する現象である。先行研究の多くは記憶成績に着目した検討を行っている。しかし,凶器注目効果の発現機序を解明するためには,凶器が注意に及ぼす影響を検討することが必要である。そこで,本研究では,凶器が注意の解放を阻害するのかについて検討した。画面中央に凶器画像(包丁,拳銃)または統制画像(ドライヤー等)を呈示した後,左右いずれかにターゲットを呈示した。実験参加者には,ターゲット出現方向をキー押しによって回答するよう求め,それに要した反応時間を測定した。その結果,特性不安の低い者では,統制画像よりも凶器画像を呈示した場合に反応時間が遅かった。このことから,凶器は注意解放を阻害する可能性が示唆された。
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© 2016 日本認知心理学会
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