東海公衆衛生雑誌
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HIV即日検査におけるイムノクロマト法での追加検査による陽性適中率の上昇
木村 薫石井 譲治片山 幸中村 保尚榛葉 玲奈山田 敬一明石 都美柴田 伸一郎
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2020 年 8 巻 1 号 p. 94-97

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抄録

目的 HIV(human immunodeficiency virus)感染の早期発見・早期治療のためにHIV検査,中でも受検者の利便性が高い即日検査の果たす役割は大きい。保健所等でおこなわれる即日検査ではスクリーニング検査にイムノクロマト(IC)法を原理とする迅速検査試薬が用いられるが,我が国のように感染率の低い集団においては陽性適中率が低くなることが問題となる。本研究では,HIV即日検査において迅速性を損なうことなく陽性適中率を上げることを目的とし,IC法による追加検査の有用性について,推奨法であるゼラチン粒子凝集(PA)法と比較検討した。

方法 2014年9月~2018年10月に名古屋市保健所で定例的に実施されたHIV検査会で採血された21,347検体の内,PA法および現在国内で認可されている2種類のIC法(IC法-A,IC法-Bとする)のいずれかのスクリーニング検査で陽性となった218検体にそれとは異なるスクリーニング検査法で追加検査を実施し,結果の比較検討を行った。

結果 スクリーニング検査PA法の陽性適中率はIC法-A,IC法-Bの追加検査により22.9%からそれぞれ90.5%,86.4%に上昇した。同じくIC法-Aの陽性適中率はPA法,IC法-Bの追加検査により45.1%からそれぞれ92.7%,91.1%,IC法-Bの陽性適中率はPA法およびIC法-Aの追加検査により36.4%からそれぞれ80.0%,66.7%に上昇した。追加検査間の有意差はなかった。

結論 HIV即日検査においてIC法を原理とする迅速検査試薬を追加検査に用いることにより,迅速に,より陽性適中率の高い検査の実施が可能であることが示された。

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© 2020 東海公衆衛生学会
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